日刊　大石英司の代替空港

日刊　大石英司の代替空港 ▲▽決戦前夜▽▲ 「さあ、ハチ公前広場にいる玉川レポーター。今夜の渋谷はいかがでしょうか？」 「はい。こちら現場の玉川です。われわれは今宵このように完全武装して渋谷の 街角にやって参りました。このような状況下で外出するのは、台風のまっただ中 に、『ちょっち用水路の様子を見て来る！』と外出するようなものです。危険で すから、絶対に真似しないで下さい！」 「しかし、玉川さん。あまり人出は減っていないようですね。後ろに見える、赤 い警告灯を振り回しているのは、いつものＤＪポリスですか？　ＤＪポリスが呼 びかけても、誰も見向きもしないようですね？　しかしあのお巡りさん、何かま ん丸眼鏡を掛けて……」 「こちら現場、玉川です。教授じゃないですかね？」 「教授？　坂本教授？　いやぁ、坂本龍一はこの時期、日本なんかにいないでし ょう。しかもあのＤＪポリス、詰め襟とか着ているし。ちょっとズームして、音 声とか拾って貰えますか？」 －－－－－－－－－－－ 「憲兵は！　憲兵隊はまだか？　伍長！」 「はっ、この聖夜の大渋滞で環8も２４６も身動きが取れず、さっきから50メー トルも進んでいないとのことであります！」 「けしからん！　不満分子どもは片っ端から窓から放り投げ、古井戸にぶち込 め！　そのマイクを私に貸せ……。 　兵に告ぐ！　兵に告ぐ！　敕命が發せられたのである！　お前達は、信じても いないジーザスの生誕をこれ幸いと毛唐の悪しき風習を利用し、暴挙に出ようと している。だが、御聖断は下ったのである！　政府は、今年のクリスマスの終了