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vol.053:保険金の支払いは投票で決める。加入者1億人を突破した「わりかん保険」

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2021/01/04
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 053 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、わりかん保険「相互宝」「水滴互助」についてご紹介します。 わりかん保険とは、事前に保険料を徴収するのではなく、加入者の中で病気などになり保険金支払いが発生すると、それに一定割合の管理費を乗せ、加入者全員で頭割りをして分担金を決めるというものです。計算方法などが公開されているので透明性が高く、公平性も保たれる仕組みです。アリババ系列の相互宝(シャンフーバオ)では、月2回の分担金支払いがあり、現在のところ4元前後。月の負担は8元(130円)ほどになります。 これで、がんなどの病気になると、最高で30万元(約480万円)の互助金が受け取れます。 さらに、ユニークなのが、互助金支払いに問題がある場合は、その詳細情報が公開され、支払うかどうかを加入者全員の投票で決めるという仕組みです。 申請者から提出された診断書などは、人工知能による画像解析で偽造チェックが行われ、ブロックチェーンで管理されるなど、テクノロジーも駆使されています。このようなわりかん保険は、2011年から登場しており、中国はわりかん保険の分野では世界に大きく先行しています。 アリババ家の「相互宝」、テンセント系の「水滴」はいずれも加入者数が1億人を突破しています。さらにこの成功を見て、百度、美団、蘇寧、滴滴なども続々と参入をしています。 なお、中国ではこの仕組みは、法令上保険商品には該当せず、別の枠組みで当局の奇声を受けているため、「ネット互助」と呼ばれています。病気になった加入者に支払われるお金は「互助金」、加入者が毎月支払うお金は「分担金」と呼ばれます。 今回は、このネット互助の仕組みを相互宝を例にご紹介し、そのメリットと課題についてもご紹介します。

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