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ビジ選☆リーダーズ Vol.883『本には読む順番がある』(齋藤孝)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■なぜ「読む順番」が大切なのか? 物事には順番がある。何かを学ぶにしても、仕事をするにも、順番 が大事だ。ところが、こと読書に関しては、なぜかこの真理が忘れ られがちだ。 最初に読むべき本、少し慣れてきたら読んでみる本、基礎がしっか りできて余裕ができた上で、最終的に読むべき本など、本によって 色々だ。 ところが、これを理解せず、最初に誤った1冊を手にしてしまった ために、理解できずに挫折したという人が少なくない。あるいは、 どんどんおかしな方向に読書を進めてしまうこともある。 順番とは、言い換えれば一種の「型」だ。スポーツや武道でも「型」 が重視されている。良い選手、一流の選手ほど基礎がしっかりとし ていて「型」を身につけている。 読書も同じように「型」がある。たくさんの本を読破し、しかも、 それらの知識がしっかりと身についている人は、例外なく読書の 「型」を身につけているものなのだ。 ★ 「本を読んでも、なかなか頭に入らない」あるいは「けっこう本を 読んでいるつもりなのに、体系的に知識を積み重ねられない」とい う人は少なくない。 そういう人は、多くの場合、正しい本を選んでいない。それが原因 で内容が身につかないのだ。本には読む順番があるのだ。その順番 を間違えて読んでいる人が多いのだ。 いきなりマルクスの『資本論』を読んでも、理解できる人はほとん どいない。これが『資本論』の入門書や、新書などの解説本を読ん だ後に読めば、理解できる。 そして、資本論がどんな内容か、何を目指して書かれているか、大 きな方向性、ベクトルがわかるのだ。難解な本は暗闇と同じで、い きなり飛び込んでもポイントもわからず、読み進め方もわからない。 まずは、入門書などで用語の意味や本の主旨、大まかな構成などを 知っておくべきだ。一筋の明かりがあれば、それを目指して進んで いくことができるのだ。 ★ ガイドブック的な本を最初に読んで、頭の中に“知性の地図”を描 くことだ。どんな時代に、どんな人物が、どんな本を書いていたの か。思想や文学の流れの中で、どんな位置にあったのか。 全体がわかる地図があれば迷うこともない。「この人の本をこれだ け読んだから、次はこの人の本を読もう」という風に、興味のつな がりの中で読書が広がり、知性の視野と地平も広がっていくのだ。 どこにどんな道があるかわからずに進むのと、大まかでも道がどの ように走り、つながっているのかわかっているのとでは、進むスピ ードは雲泥の差が出てく。思想哲学書に関しては、特にそうだ。 幸い、入門書、ガイド本はたくさん出ている。単行本でも各テーマ で出ている。最近では漫画になっていて、より読みやすくまとめら れている。自分に合ったものを大いに活用すべきだ。 ★ これに対して、小説については少し違う。要約を読んでしまうと、 内容がわかってしまい、せっかくの面白さが半減してしまうからだ。 要約本は有効だが、小説に関しては一長一短ある。 まったく知らないと興味も湧かない。かといって結末まで知らされ てしまえば興味を失ってしまう。何より、最後の結末を楽しみに読 み進めるのが、小説の醍醐味だ。 小説に関する良い要約や解説は、興味を持たせつつ、その先どうな る?結末は?と思わせるものだ。文学に関してはストーリーより、 クライマックスシーンを抜粋して紹介する方が良いのだ。 文学のクライマックスシーンは、作家の渾身のものだ。そこに読者 は心を強く揺さぶられる。そのシーンの一部を知るだけでも、読ん でみたいという気持ちを強く引き起こしてくれるはずだ。

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