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『 田中優の未来レポート 』
第225号/2020.12.30
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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『 豪雨対策がいきなりダムっておかしくないか 』
2020年を振り返ってみると、真っ先に思い浮かぶのが7月に起こった熊本県を中心とする球磨川の氾濫だ。熊本県知事の蒲島氏は多くの人にダム慎重派と勘違いされているが、実はダムを造りたくて仕方なかった。ところが状況的に反対が多く、未練たらたらで中止したいきさつがある。だから熊本を豪雨が襲った時に、またダム推進をするだろうと思っていた。ところがただダム推進だけではまずいと思ったのか、「穴あきダム」式に変更した。
穴あきダム式だから普段は水を貯めないから環境的に良いかのように言われるが、川を遡上する魚の数はどこでも激減している。しかも水を流す口は流木などによって塞がれやすく、長く使えるかどうかの実績に乏しい。ここ川辺川ダムは、もともと多目的ダムだった。洪水の防止だけでなく、農業用水・水道水を確保し、さらに発電もする予定だった。発電が取りやめられたのは、良い値で電力会社に買ってもらえなくなったからだ。かつてはダムの発電をすれば、必要となった費用で買ってもらえた。しかし電力自由化が進む中、そんな鷹揚に買ってもらえる時代ではなくなったのだ。
そもそもここ川辺川には「株式会社チッソ」が所有してきた発電所があった。それを壊して新しいものにするのだが、発電量は減るのだ。「発電量が減るなんて」と疑問に思うかもしれないが、そもそも水力発電所の発電量は「水量×高さ×重力」となっていて、大きなダムから河川維持のために流す水量が多ければ、発電量は減ってしまうのだ。そして農業用水は地元農家の負担が大きく、名前が載せられているのに調べてみると、書いた覚えもない人たちの名が並んでいた。
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