「小池政局にダマされるな」
新年早々に再び「自民党政府が小池知事に振り回される」というドラマの
第2幕が上演されています。普通、芝居の第2幕というと、1幕からはかな
り設定の異なる場面に移動して、それぞれのキャラも深化するものですが、
政治のドラマにはありがちなように、今回の第2幕は第1幕と似たような構
図になっているわけです。そこが何とも困った問題です。
小池知事の方法論は次の6点からできています。
1)本当は、知事権限で強制力発動をするのが筋だが、現在の法制ではでき
ないし、制度改正しても地方には権限は来ないということは計算済み。従っ
て、どう転んでも自分に100%責任が来ないというのが前提。
2)自分は今後、東京が高齢単身世帯中心のゾーンとなって、慢性的な財政
危機に陥るというような「近未来」については関知しない。だから、必要が
あれば東京独自のバラマキは躊躇しない。
3)ゲームの基本は、イニシアティブとTVの放映時間で菅総理を圧倒する
こと、その上で、自分が総理より危機感があり、真剣だというイメージを演
出するのが彼女のプレースタイル。
4)地方経済の疲弊は全く関心外。都知事だから東京ファースト。
5)国政野党が無能なのも計算済み。だから、菅政権が死に体になって任期
満了解散でもあれば、新党名で「一発勝負」に出れば政権が取れるかもとい
う計算がある。では、そうした度胸とカネがあるかというと、実はないし、
前回の「希望の党」失敗で懲りているので、今回は「いつでも自民党に帰っ
て清和会を乗っ取らせていただきます」というプレッシャーをかけているだ
け。
6)ファッショナブル作業服とか、「外出は短時間」とか、いちいちフリッ
プ持って「アラート」なんとか、とか、要するにテレ東さんのノリで都市型
の感情論煽っているだけ。
とにかく最大の問題は、仮に国政復帰したところで、カーボンゼロと原発
再稼働、日米中の三極外交、生産性向上などといった国家戦略については、
「何の信念も方法論もない」ことだと思います。
もっと言えば、小池さんにしても「国政レベル」で「経済と対策のバラン
ス」を捨てて、自分の口がペラペラしゃべっているように、そしてそのよう
に世論を煽っているように「対策の方にシフト」して、その分、「幅広く支
援金を出す」という度胸はないのだと思います。(以下略)
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