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■私たちが抱える「不安の正体」編
「お金があれば不安がすべて解決する」と考えることは幻想だ。も
ちろん、生活する上で最低限のお金は必要だ。当座の収入や貯金が
ゼロというわけにはいかないはずだ。
でも「世の中は不安だらけ」という気持ちの根底にあるのは、実は
お金そのものではない。むしろ「選択肢がない」ことだ。たとえば
「今の会社に勤めるしか、生きる術がない」といったことだ。
もし、生きるために今の会社にいるしかないから、ちょっとしたミ
スが重なっただけでも自信をなくしたり、ドッと落ち込んでしまっ
たりすることになる。
「いざとなれば転職すればいい」とか「自分でビジネスを立ち上げ
れば、自分の食い扶持ぐらいはなんとかなる」と思えれば、ずいぶ
んと気がラクになるはずだ。
今置かれている状況から、自分の意思で動けなければ、不安な気持
ちは募るばかりだ。解決方法は一つ、常に複数の選択肢を確保して
おくことだ。そしていつでも自分の意思で動けるようになることだ。
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タイミングを逃さず、好きなように動けるように背中を押してくれ
るのがお金の役割だ。お金自体が不安を解消してくれるわけではな
い。第一歩を踏み出すきっかけになるのがお金なのだ。
頭の中だけでモヤモヤ考えていても、堂々巡りになってしまう。そ
ういう時は「自分にはどんな選択肢があるのか」紙に書き出してみ
ることだ。
「自分に何ができるのか」「何がしたいのか」あるいは「5年後な
らどうなのか」そのために必要なお金は50万円なのか、100万円か。
できるだけ具体的に書き出してみることだ。
金額がはっきりすれば、俄然リアリティが増してくる。そうなれば、
漠然とした不安感は消える。そして「その金額をどう貯めようか」
という風に発想が変わり、モチベーションも高まるはずだ。
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お金の使い方がうまい人は「欲しい」と思ったものに散財しない。
本当に「必要」なものだけを買う。ムダな出費をしないから、必要
な時に必要なお金が手元に残っているのだ。
生活に余裕があるから投資もできる。だから、ますます資産が増え
る。この好循環を作ることが「お金と仲良くなれる生き方」であり、
お金に困らない最大のポイントだ。
お金が貯まるかどうかと、年収額はさほど大きな関係はない。「欲
しい」と「必要」の区別さえできれば、年収が300万円程度でも十
分貯金はできる。お金にも不自由しない生活が送れるはずだ。
反対に、この区別ができなければ、収入が多くても、あっという間
に使い果たしてしまうものだ。年収は1000万円なのに、貯金はゼロ
という人がザラにいるのはそのためだ。
後で泣きを見ないように「欲しい」と「必要」の区別ができるよう
にしておくことだ。これによって、生涯資産にものすごく大きな違
いが出るはずだ。このことを肝に銘じるべきだ。
★
人生100年時代と言われている。そんな時代でも安泰なマネープラ
ンはある。お金を長期的視野で考えるなら、まず「フロー」と「ス
トック」という2つの面から見ることだ。
フローとは、入ってくるお金のことだ。会社員なら給料だ。逆に、
手元から無くなる金額もフローだ。支出が収入の範囲に収まってい
れば、余剰が生まれる。それを積み上げたものがストックだ。
安泰なマネープランの要諦は、稼ぎを最大化して、支出は抑え、余
剰を増やすことだ。そうして積み上がったストックを投資に回すこ
とだ。そうすれば、さらにストックを増やすことができる。
「稼ぐ」「無駄遣いせず貯める」「増やす」の3つを常に意識する
ことだ。そして、フローとストックのサイクルを同時並行的に回し
続けることだ。これが、100歳まで安泰な唯一のマネープランだ。
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