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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第412号2021.1.12配信分
●この50年間でクルマ(日本車)は格段に進歩した。ところがメディアは……
2020年の年末にホンダからフィット(FIT)を借用して試乗リポートを再開
することにした。時は昨年初からの新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大
からパンデミックとなり現在進行中の世紀の厄災の最中であり、どうせ凹むの
ならと”しがらみ”から離れ、外から自動車(情報)業界を見ることにした。
この間にはっきりしたのはメディアの時代錯誤だった。継続性は事業にとっ
て優先されるべき価値のひとつだが、変革期にかつての成功体験を拠り所に今
まで通りを貫くことは必ずしも褒められない。それを望むのは”逃げ切り”を
図る従来の枠組みで上手く行っていた人々であり、場合によっては変化を阻む
抵抗勢力にもなり得る。
これまで時代に寄り添って生きてきた善良な人々が、時代の流れに棹差す厄
介な多数派になるのはよくあること。”大きな力はゆっくり動く”というが、
よほど画期的な出来事が生じないかぎりガラガラポンとはならないようだ。
19世紀の西ヨーロッパから新世界(のアメリカ)に伝わり、20世紀の石油文
明隆盛とともに巨大化した新聞・出版・放送といった商業メディアは、世紀末
に登場して瞬く間に世界に広まったインターネットの前に力を失いつつある。
その凋落は、まず広告宣伝による収益ありきで始まり、それを確保した上で部
数や視聴率などの数字を積み上げて広告単価の指標にするビジネスモデルの行
き詰まりに端を発する。収益のために数字に執着する虚実が、テクノロジーの
進歩によって白日の下に曝け出されることになった。
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