新長征は自滅への一歩
習氏が中国の鍵を握る
思想的土壌が発展阻害
人縁社会が限界を生む
習近平氏は、第二の毛沢東を目指している。敵と妥協せず、遠回りしても「目的完遂」という勝利の方程式の再現を目指している。毛沢東の率いた「長征」は、江西省瑞金を1934年10月に出発し、国民党軍と戦いながら約1万2500キロにわたる大行軍で、35年10月に陝西省北部へ移動した歴史的行軍である。苦難と闘いながら目的を達成する。中国共産党は、この革命精神を以てすれば、不可能なことはないという教訓を引き出している。
習氏は、現在の米中対立の長期化を「新長征」と称している。苦難の時期を乗り越えれば、毛沢東と同様に最後の勝利を得られるという信念を、共産党と国民に向けて説いているのだ。毛沢東の率いた「長征」が革命政府樹立に繋がったのは、日本敗戦という予期せざる突発的事態が起こった結果である。この点は、毛沢東も率直に認めている。英国の歴史家アーノルド・トインビーは、毛沢東の勝利は独力で成し遂げたものでなく、日本敗戦の副産物と指摘している。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)