「使い回しの施政方針演説」
安倍晋三が二度目の「政権丸投げ」を炸裂させたことで、二階俊博の描いた絵図によって「ミスター後手後手」こと菅義偉が自民党総裁に選出されたのが2020年9月14日、そして、首相官邸で就任会見を行ない、「自助・共助・公助、そして絆」という噴飯物のキャッチフレーズを掲げたのが2日後の9月16日でした。
しかし、菅義偉は、新型コロナの感染拡大に苦しむ国民などホッタラカシで、何のメッセージも発しないどころか、火に油をそそぎ続ける「Go To キャンペーン」を継続したまま、10月には待ってましたとばかりに外遊し、インドネシアに500億円もの円借款(えんしゃっかん)をバラ撒いて来たのです。「円借款」とはお金を貸してあげることなので、プレゼントではありませんが、相手国の財政が苦しくなれば返還の義務がなくなります。これまでに返って来ない円借款も複数あります。
この時点で、あたしたち日本国民は、まだ菅義偉から何の政策も方針も聞かされていませんでした。首相に就任した人物が、自国民への挨拶よりも他国へのバラ撒きを優先するなんて、前代未聞の行動です。菅義偉は、帰国後の10月26日、臨時国会の冒頭で、ようやく「所信表明演説」を行なったのです。しかし、その内容は「Go To キャンペーン」の推進や「マイナンバーカードの普及」などに重心を置いた「国民不在」のお粗末なものでした。その上、菅義偉は問題山積の状況をスルーして、トットと国会を閉会してしまったのです。
11月が過ぎ、12月が過ぎ、年が明けての1月18日、まさに「後手後手の通常国会」が開かれ、ようやく菅義偉は「施政方針演説」を行ないました。でも、今回の菅義偉の「施政方針演説」を聞いて、あたしは不思議な既視感、デジャヴュー感に包まれてしまいました。あたしは一語一句を聞き逃さないように真剣に聞いていたのですが、しばらく前にどこかで聞いたようなフレーズが次々と流れて来たからです。
それで、あたしは、自分の記憶の糸をたどりつつ調べてみたのですが、あまり時間が経っていなかったので、すぐに思い出しました。菅義偉は昨年12月22日、「読売国際経済懇話会(YIES)」に招かれて東京都千代田区の東京会館で登壇し、約200人の財界人が「密集」している会場で、約45分間の講演を行ないました。あたしは、それをYOU TUBEの動画で観たのですが、その内容が今回の「施政方針演説」の内容とほとんど同じだったのです。
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