河野規制改革相のワクチン接種担当をアサインしたら案の定ボロでまくりの菅政権

********************************************************** 　今市的視点　IMAICHI POINT OF VIEW 　金融、経済、政治、企業といった領域でのニュースや トピックスをテーマに独自の視点で鋭く切り込みます 　ツイートアカウント　@imaichitaro 　よろしかったらフォローもお願いします。 　　　　 1月25日号 ********************************************************** 河野規制改革相のワクチン接種担当をアサインしたら案の定ボロでまくりの菅政権 1月19日、菅首相は新型コロナのワクチン接種について 多くの省庁にまたがる課題であることから河野規制改革 担当大臣を担当に決めたと発表しました。 政治主導で臨み、早め早めの対応をしていきたいという のがその趣旨のようですが、早ければ2月から接種開始 と言いながらロジスティックスの調整がまだ何もできて いないことを自ら開示してしまったような状況に陥って います。 医療の現場では国や地域の医師会などから確かに様々な 情報は散発的に寄せられているようですが、統一的な 情報は一切なく、もうすぐ接種できるようになるから 地域ごとにその準備を進めろという話しかおりてこない との嘆きの声も聴かれます。 昨年からワクチンの接種の実現こそが東京五輪開催の カギであるとされてきたわけですから、当然厚生労働省 を中心として実務部隊が用意をしているものと思って いたわけですが、実態はなんの準備もしていないという 体たらくが明らかになっただけで先行きに猛烈な不安 が立ち込め始めています。 ■早速官邸と齟齬が発生する河野発言 既存の縦割りの枠組みを排除してワクチンのロジスティ ックスを前に進めるという点では規制改革大臣が担当 するというのも判らない話ではありませんが、もともと 厚生労働省はPCR検査を国民にすべて実施している わけでもないですし、本来の管掌部門の担当ではない 西村大臣も非常事態宣言を出すかどうか以外はろくな ことをしていないようにしか見えない中で、あえて さらに別の担当大臣を設置するのか、しかも党内では もっとも暴走し根回しが下手な河野大臣が起用される ことには相当な違和感を感じる次第です。 と心配しているそばからすでに河野大臣は官邸の 坂井官房副長官が今年6月までにはすべての国民 に必要なワクチンの確保を見込むと記者会見したのに 対し翌日の会見では、供給スケジュールは決まって いないとその内容を否定して削除すると勝手に発言 してしまい、最初からまともな調整ができていないこと を露見させてしまっています。 ■ファイザーとの契約では6月に6000万人分供給できないことが判明 国民の健康と命がかかっている問題ですから笑っている 訳にはいきませんが、もっともバカバカしいのは、国が 6月末までに6000万人分のワクチン確保を明言してき た内容が、実はファイザーとの契約書上では2021年 末まに7200万人分を供給するということになって いるそうで、そもそも東京五輪になどなにも間に合わず、 全国民分を6月までにという基本方針自体を撤回せ ざるをえなくなっているという体たらくも判明しています。 ■ツイッターで国民を平気でブロックする河野大臣が本当に適任か 菅内閣はとにかく新型コロナに関しても何にしても国民 とのコミュニケーションが極めて下手でほとんど意思の疎通 がない状況であるのはご案内のとおりです。非常事態宣言 がでても昨年の4月のときのように国民が不要不急の外出を 一切中止するといったような危機意識は全く戻ってきて おらず、感染者も死者もうなぎ登りの状況ですでに国民 から全く信頼されていないことがあからさまになっています。 こうした状況下ではもっと丁寧に国民に情報を伝える人が 重要になるはずですが、200万人を超えるフォロワーを ツイッターで抱える河野大臣は気に入らない発言をする人間は どんどんブロックをかける始末でコミュニケーションレベル も決して高い存在ではなく、政権に入閣できるとなれば 原発反対の看板も平気で引き下げるブレまくりの典型例と いった人物ですから、こうしたクリティカルな役回りに 向いているとはまったく思えない状況です。 そもそも政界では菅総理の後任として人気が出始めている 河野氏にあえて難問を背負わせて失敗させ、責任をとらせる ことで潰すつもりなのではといったレベルの低い陰謀論まで とびかい始めています。 菅首相お得意のやっている感だけ醸成するならさもありなん という感じですが、これではワクチン接種がスムーズに 進む可能性は極めて低く、しかもその先の東京五輪の開催 も実は中止をいつ発表するかだけの問題になりつつある ようです。それにしてもここまで国民に可視化される迷走ぶり を露呈する政権も実に珍しく、桜が咲く前に菅首相自身が 散ってしまいそうな雰囲気を醸しだし始めています。