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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第414号2021.1.26配信分
●各世代には世代ごとにそれぞれの仕事があっていい
新型N-ONEの評価は、余裕があれば即買いに値する。あくまでも私見だ
が、そう断言できる。巷間流布しているインプレでは、ハイスペックパワー+
6速MT(マニュアルトランスミッション)というターボRSグレードを歓迎
する意見が溢れているようだ。
上級クラス顔負けの走りが期待できるセットアップこそマニュアルドライブ
というステレオタイプの価値観に身を委ねたくなる気持ちは分かるが、それは
自らの身体感覚を通じて導き出された答えだろうか? 私はさすがにそのよう
な紋切り型のファンタジーに身を任せることができなくなっている。
自動車人歴50年。まだ日本車が発展途上段階だった頃にクルマの魅力に取り
憑かれ、技術の進歩と軌を一にするように成長し、多くの変革とエポックに身
を晒しながらピークを越えて老境に至った。蓄積されたスキルに自負を持ち、
経験知に矜持を抱く一方で、身体的衰えは具体的な形でピークアウトの現実を
突きつける。
私の8歳年少の同業が還暦を迎える。フレッシュな世代が新規参入すること
のないままに高齢化社会の縮図と化した感のある今、従来通りの語り口を続け
ている人々の浮世離れを憂う。昭和から平成への切り替わりに新卒でこの世界
に飛び込んだ坊やが50代に入っている。すでにキャリアとしては若者でも少壮
の中年でもなく”オッサン”だ。私の前後5歳世代は以前に比べれば遥かに元
気だが、高齢者であることに変わりはない。
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