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週刊 Life is Beautiful 2021年2月2日号

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん 2040年の未来:農業・畜産業 先週に続いて、2040年の未来を目指して、自分だったらどんなビジネスを立ち上げるかを、特定の分野について考えてみます。 農業に関して言えば、もっとも伸び代が大きいのは、植物工場だと考えています(下の写真は、「水耕栽培ドットコム」からの引用です)。 植物工場とは、温度、湿度、光、CO2、養分などの環境を完全にコントロールした工場内で野菜を工業品のように生産する仕組みです。無農薬栽培が可能安定した生産が可能立体的に栽培が出来るので敷地面積あたりの生産量が高い地産地消が可能(長距離輸送が不要) などの利点があり、時代の流れにマッチしています。 現時点では、初期費用が高い光熱費が高い という二つの欠点がありますが、初期費用の方は、「規模の経済(大量生産によりコストが下がること)」が働く分野なので、導入が進むにつれて大きく下がって行くので、時間が解決すると考えて良いと思います。 光熱費の問題を解決するのは簡単ではありませんが、昼夜を逆転させて、電気代の安い時間帯に育てる、太陽光パネルや風車を屋根に設置して一部の電力をそれで賄う、排熱・気化熱・地下水などを活用して空調のコスト下げる、など、出来ることは色々とあります。 ちなみに、米国で水耕栽培業界を牽引しているのが大麻の栽培であることは、米国人ならば誰でも知っている公然の秘密です。いくつかの州で大麻が合法化されたとは言え、それは最近のことだし、まだまだ非合法な州も多いので、警察の目を盗んで大麻を育てる必要上、室内での水耕栽培の市場が大きく育ったのです。 日本人から見ると信じがたい話ですが、大麻に関しては「タバコやアルコールよりも害が少ない」と考える人が大多数なため、スピード違反ぐらいの気軽さで、違法に大麻を吸ったり、栽培する人が後を立たないのです(だからこそ、一部の州で合法化されたのです)。 米国にはHydrofarmという名の水耕栽培関連の機器を卸売りしている会社があります。この会社のWebページを見ると、水耕栽培用のLEDライトや浄化装置などを卸売りしていることが分かりますが、投資家目線では「大麻関連株」なのです。 畜産の分野で伸び代が大きいのは、やはり人造肉と培養肉だと思います。 地球温暖化ガスというと、二酸化炭素のことが最初に頭に浮かぶと思いますが、家畜(特に牛)のゲップやオナラに含まれているメタンガスも地球温暖化の主たる原因の一つであり、これを大幅に減らすには、人造肉や培養肉で代替する必要があるのです。 人造肉としては、Beyond MeetとImpossible Foodsが既に市場で活躍していますが、まだまだ味の面で肉の代わりが出来ているとは言えず、新規参入の余地は十分にあります。

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