「ゼロ・コロナ政策?立憲民主党への3つの疑問」
立憲民主党の枝野幸男代表は「今年中に必ず行われる総選挙で、政権交代
を目指す」として、その際に、新型コロナウイルス対策を最重点とし、検査
体制の拡充と医療現場への支援を最優先で進める「ゼロ・コロナ」というビ
ジョンを示したそうです。この「ゼロ・コロナ」の考え方について、枝野代
表は、
「感染拡大を防ぎながら経済も回していくというやり方は、明確にもう失敗
をした、挫折をしたと思っているが、これを自公政権は変えられない」
と啖呵を切って見せたそうです。何とも威勢のいい話ですが、ちょっと待
ったと申し上げねばなりません。即座に3つの疑問が湧いてきます。
1つ目は、本当に実務が回せるのかという点です。例えば、検査を充実す
べきという考え方は、このメルマガでも申し上げてきました。言うのは簡単
ですが、保健所の体制、そして国家資格の問題、全体としてのマンパワーと
リソース配分について、最適解を見つけて、なおかつその最適解を世論の感
情論に合うように翻訳して合意形成するという気の遠くなるような実務につ
いて、自公政権+官僚組織の組み合わせより、枝野政権の方が「上手くでき
る」ということのエビデンスは全くありません。
しかもこれからは、ワクチン接種の問題も巨大なロジを回しつつ、ワクチ
ン忌避の感情論をメディアが悪用することを何としても防がねばなりません。
この点についても、例えば河野大臣よりも実務的に上手く回せるというエビ
デンスは全くないのです。まして、忌避感情を政治利用するなどということ
を考えているのではれば、これは大変です。
2点目は、感染対策を優先して経済を回すのは後回しとする場合に、補償
をどうするのかという問題です。この点について、官僚的に杓子定規でやる
のか、拡大して大盤振る舞いとするのか、それとも結局は2000年代の民
主党政権のようにヘタを打って自爆するのか、これも全く分かりません。
3点目は、仮に経済を止めて感染対策を優先するのであれば、財政規律を
緩める必要があります。ですが、2000年代の民主党政権がやたらに財政
規律にこだわって、金融緩和もできずにウロウロしていたことを考えると、
中途半端にやって最悪の結果になるような気がしてなりません。中長期の経
済財政政策として、一体何を考えるているのか、まずは明らかにしていただ
かないと信用できません。
もしかしたら、枝野氏は「結局は選挙で政権交替は出来ないので、カッコ
いいことをだけ言っておいて、選挙後も威勢よく政権批判ができればそれで
いい」と思っているのかもしれません。いわゆる万年野党精神というやつで
す。それならそれで納得はできるのですが、もしも本気で政権をとる気でい
て、しかもこの3つの点については何も用意がないのであれば、それはいく
ら何でもヒド過ぎると思うのです。
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