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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第416号2021.2.2配信分
●脱石油は時代の要請か?
N-ONE評価を続ける。私は、昨年の東京オートサロンで参考出品された
6速MT搭載のホンダN-ONEカフェレーサーコンセプトの段階で”あり”
と認定していた。そして、晴れて正式発表されたその内容を一瞥して可能性を
確信した。外観は基本的に前作を踏襲。プラットフォームからパワートレイン、
内装、ADAS(先進運転支援システム)などの中身をアップデートする手法
は今こそ省みられていいだろう。
21世紀も早20年が過ぎ去った。自動車は今、3世紀に跨がる135年の歴史を
紡いだ果てに難しい課題に直面している。エネルギーを生む資源とその消費に
伴う環境悪化。排出される温室効果ガスによる地球の温暖化が問題視され、そ
の一因として化石燃料の燃焼に伴う人為的な二酸化炭素(CO2)が削減対象とな
った。厳密に言えばモビリティ部門によるCO2排出は全体の20%に留まり、自
動車が占めるシェアはさらに小さい数字に留まる。
問題の本質は近代以降の都市化を伴う石油文明の暮らしぶりにあり、文明の
分かりやすい象徴的存在としてのクルマに向けられた難癖にも似た課題という
他ない。脱石油に未来の覇権を賭ける西欧の先進国勢力が、石油資源に恵まれ
た既得権益を握る新興国中心の資源国に挑む。
閉ざされた地球環境という前提に立てば、エントロピー増大という唯一の絶
対則の下で限られたリソースを有効に使う"エネルギーミックス"が最善であり、
ミニマイズの具体例として有望な軽自動車はグローバルに展開出来る日本のお
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