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ビジ選☆リーダーズ Vol.888『日本一やさしい経営の教科書』(小井土まさひこ)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■採用は社長の勘と妥協 経営は「ヒト」「モノ」「カネ」「時間」「情報」が重要だと言わ れている。だが、中小企業の経営ではスタート時は「ヒト」「カネ」 「社長」の3つだ。さらに1つ加えるなら「運」だ。 まずは「ヒト」についてだ。ヒトに関係する経営のポイントは、大 きく分けて「採用」「教育」「コミュニケーション」の3つある。 採用は「新卒採用」と「中途採用」がある。スタートしたての会社 は、ほぼ中途採用のみだ。新卒採用を始めるのは、会社が会社らし くなってくる3~5年後だ。 創業時の採用のポイントは、社長の勘だけが頼りだ。人を「選ぶ」 というより「妥協」で決めることになる。どのくらいの人までなら、 一緒に働けるかな、という視点を持たなければ採用は無理だ。 面接にあたる人は、誠意を持って、自然体で向き合うことだ。あり のままを見てもらい、その人についても、できる限りを知ることだ。 そうするから、短期間で退職というミスマッチを防げるのだ。 ★ 人が入社して来たら、次に行うのが教育だ。大事なことは最初から 「教育しよう」と思わないことだ。新人社長に幹部の教育などでき るわけないのだ。 そもそも人は、自分でその気にならない限り、成長しないものだ。 もちろん、教育しなくていいということではない。期待せず、簡単 なことだけを淡々と教え続けるのだ。 世の中には色々なセミナーや研修があり、基本的に素晴らしい。た だ、何を取り入れるかは社長の判断だ。今いる幹部や社員のレベル にあった、学びの機会を提供するのがポイントだ。 最初は社長が噛み砕いて伝えて消化してもらう必要がある。その上 で外の研修に参加させる。社長だけが学んだり、人に任せはだめだ。 社長と幹部、社員が同じことを学び、価値観を揃えるべきだ。 ★ 社長が行う社員教育では、同じことを繰り返し伝えることだ。こち らが思うほど、社員は覚えていない。ザルに水を入れると、ほとん どが流れてしまって溜まらないのと同じだ。 だが、よく見るとザルは濡れている。社員教育はその程度、つまり 濡れている程度でいいのだ。もし乾きそうになったら、また水を入 れて濡らす。 必死に水を溜めようとすると、溜まらないことにイライラし、スト レスになる。だから、忘れて当たり前だと思って、繰り返し教える のだ。ザル教育だ。これが、中小企業の正しい社員教育だ。 間違ってザルの穴が塞がって水がたまりだしたら超ラッキーだ。そ もそもザルどころか、枠しかない社員もたくさんいる。それでもい つかザルくらいにはなるものだ。それくらいでちょうどいいのだ。 ★ 定着を図るのも社長の務めだ。退職の原因は、多くが上司や同僚と の人間関係だ。退職防止には、社長と幹部、幹部と社員、社員同士 がコミュニケーションをとり、人間関係を円滑にすることだ。 コミュニケーションは「質より量」だ。回数を増やすには、飲食の 機会を会社主導で用意する。飲食で心が緩み、本音で話ができる。 その回数を重ねることで人間関係が良好になるのだ。 もちろん、人には必ず「合う」「合わない」という相性がある。そ こで離職を防ぐためにも、2、3年に一度不定期に異動をするよう にする。異動には2つのメリットがある。 まず、異動した人が成長する。色々な現場を体験することで新しい ことを覚え成長する。もう1つが、現場の雰囲気が改善される。定 期的に異動があれば、合わない上司の下でも我慢できるものだ。 異動は、管理職が中心だ。特に、上司の場合は、現場の複数の人と 相性が合わないようなら、早めに異動させることだ。その方が、現 場もうまくいくはずだ。

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