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高野孟のTHE JOURNAL Vol.486 2021.2.22
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1086》
コロナ禍の国際政治学
ーー「多国間主義」と言うなら中露印を巻き込ま
ないと
【2】《CONFAB No.486》閑中忙話(2月14日~20日)
【3】《FLASH No.396》
人類のために五輪開催を諦めるという転換はでき
ないのかーー日刊ゲンダイ2月18日付「永田町の
裏を読む」から転載
■■ INSIDER No.1087 2021/02/22 ■■■■■■■■■
コロナ禍の国際政治学
ーー「多国間主義」と言うなら中露印を巻き込まないと
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2月19日にジョンソン英首相の主宰で開かれたオンラ
インによる主要国首脳会議(G7)が、途上国・貧困国向
けにコロナ・ワクチンを広く供給するための国連=WHO
の「COVAX」枠などに7カ国計75億ドル(約7900億円)
を拠出することで合意し、「21年を多国間主義のための
転換点とする」と声明したのは、まことに結構なことで
ある。
というのも、テドロス・アダノムWHO事務局長によれ
ば「現時点では世界人口の16%にすぎない富裕国が世界
のワクチン供給量の60%を購入」していて、ほとんどの
低所得国には届いていない。別の言い方をすると、これ
までに接種された1億2800万回分のワクチンの4分の3
以上が、世界のGDPの60%を占めるわずか10カ国で接種
されている反面で、25億人の人口を抱えるほぼ130カ国
ではまだ1回目のワクチン接種も行われていない。さら
に、国際NPOオックスファムの調査によると、カナダは
すでに全人口に5回の接種をするだけのワクチンを確保
しているが、途上国を中心とする67の国では今年中に接
種を受けることができるのは10人に1人にとどまる見通
しであるという。
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