橋本聖子五輪担当大臣が大臣を辞任し、森喜朗会長の後任として東京五輪組織委員会会長に就任した。 この就任にあたり、オリンピックの中立性を鑑み、橋本氏が議員辞職をすべきかどうかが検討された。
国際オリンピック委員会(IOC)から「離党も議員辞職も必要ない」という回答を受けたという理由で、橋本氏は参議院議員を辞職せず自民党所属国会議員のままで会長に就任し、朝のぶら下がり会見で「離党も辞職もしません」と話した。
しかし、野党の猛反発に加え、自民党参議院幹部からも「常識的にあり得ない」という厳しい意見が官邸に寄せられ、自民党を離党することになった。 結果的に朝令暮改を余儀なくされたことは報道でご承知の通りだと思う。
橋本氏の離党は不祥事を起こしたわけではない。 五輪が終われば復党することに皆が反対しない「今年秋までの一時的な離党」ということは言うまでもない。 だからこそ、少しの間なのに「なぜ離党しないの?」と感じた人も多いと思う。
議員辞職となると、給与と手当などがゼロになって生活に直結する問題になるとなる。 一方、五輪が終わるまでの離党なら、半年間しかない。 五輪組織委員会会長と参議院議員の兼職となると忙しく、部会など党の行事などに参加する時間もないので、離党することによる実質的なマイナスは少ないからだ。
この背景には、北海道特有の問題があった。
橋本氏は、吉川貴盛衆議院議員が鶏卵疑惑で自民党北海道連会長を辞任した後、後任に選ばれていた。 自民党北海道連は吉川派と反吉川派に割れており、反吉川派にとっては久しぶりに身内の橋本氏を道連会長に据えたのだから、何としても手放したくなかったのである。
「たかが自民党北海道連会長」と思う向きもあるかもしれない。 だが、公認権とお金を実質的に握る道連会長のポストは……
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