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津田大介の「メディアの現場」
2021.2.26(vol.429)
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──Don't lose your temper──
みなさん、こんにちは。津田大介です。
来月3月11日で東日本大震災から10年になります。本来であれば10年という節目を迎
え、多くのメディアが東北の現在と復興の道程を振り返る記事を出していた、ある
いは仕込んでいる時期だと思います。
しかし、まったく予想外の新型コロナウイルスの蔓延により、3月11日におこなわれ
る式典の多くは規模を縮小せざるを得なくなり、取材も十分にできなくなりました。
僕自身も東北に取材に行って3月に何らかの特集をやりたいと思っていたのですが、
年明けからの緊急事態宣言でそれも叶いませんでした。ただでさえコロナのダメー
ジが響いている東北に、「東京」から人間が行くこと自体が彼らに負担をかけてし
まうからもしれないからです。
震災で自分の人生は大きく変わりました。それまでネットとメディアのことだけを
書いていればよかった自分が、(1)東北に行くことで初めて大きな事件事故のこと
を取材し、(2)「SHARE FUKUSHIMA」という人生初のイベントプロデュース経験を
して(これがあいトリにつながります)、(3)東北の被災地を取材することがきっ
かけでローカルコミュニティや地域振興に興味を持つようになり、(4)テレビやラ
ジオに毎日出演するようになり、(5)東浩紀との関係が強くなり、東北やチェルノ
ブイリのルポルタージュを書き、(6)マスメディアだけでは自分のやりたいことが
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