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週刊 Life is Beautiful 2021年3月2日号

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん 9歳の少年とゴルフ 先週、ハワイ島の Kukio というゴルフ場でゴルフをしました。そこの不動産に興味があったので、現地の不動産屋さんにプレーをアレンジしてもらったのです。 その時にたまたまついたキャディさんと共通の知り合い(クリス、私のマイクロソフト時代の上司)がいることが判明して驚いたのですが、なんと、キャディさんには9歳の息子(ブレイク)がおり、その息子さんとクリスがゴルフ友達だというのです。 いくらなんでも聞き間違いだ思い「クリスの息子と君の息子がゴルフ友達なんだろう?」と聞き直すと、実際に二人がゴルフをしている写真を見せてくれて、本当に驚いてしまいました。 ゴルフの後、クリスにこの件に関してメールを書くと、クリスもハワイ島におり、ゴルフを一緒にしようということになりました。そこでまずは、Kohanaiki という彼が暮らすリゾート地のゴルフ場でゴルフをしたのですが、その時に再び9歳のゴルファーの話で盛り上がり、今度は彼も交えてゴルフをしようという話になりました。 その晩にはすぐにクリスから連絡が来て、明後日にブレイクと一緒にゴルフをすることになりました。 当日になり、誘われたゴルフ場(Nanea Golf Club)に約束した時間に行くと、クリスはまだ来ていませんでしたが、ブレイクらしき少年が練習場で球を打っており、その横には、先日のキャディさんが立っています。 「やあ」とまずは父親の方に挨拶をすると、ブレイクを紹介してくれました。典型的な9歳の少年で、背丈は私の半分ぐらいしかありません。9歳にしては少しませた感じはありますが、楽しそうに「今日はよろしく!」と挨拶をして、もくもくと球を打ち始めました。 背丈は小さいので、それほど距離は出ませんが、90ヤードほど先にある旗に向かって彼が球を打つと、全ての玉が旗に向かって綺麗な放物線を描き、旗に絡むように1パット圏内に落ちます。私も対抗して、同じ旗に向かって打ってみましたが、明らかに彼よりもばらつきます。 父親によると、ブレイクの練習好きは桁違いで、チャンスさえあれば1日中球を打っているそうです。「好きこそものの上手なれ」の典型的な例です。彼は息子が、こんな風に大人とプレーすることは良い経験だと考えているようで、「いい気にならないように、負けないでくれ」と念を押されてしまいました。 少しするとクリスも到着し、ようやくラウンドが始まります。背丈が違うので、ブレイクは女性用のティーから、私とクリスはメンバー用のティーから打ちますが、ハンデはそれだけです。 プレーが始まって気が付きましたが、女性用のティーであっても、9歳児のブレイクにはとても長いホールです。パー4であれば、私は2打目はアイアンとかハイブリッドでグリーンを狙えますが、距離が出ないブレイクは3番ウッドを打つ必要があるのです。 にもかかわらず、彼のショットは着実にグリーンを捉えて来ます。最初のホールでいきなり2打目をグリーンに乗せてパー、二番目のホールではグリーンを外したものの、素晴らしい寄せで連続パーです。前半を終わったところで、ブレークは46、私は49でした。2つのホールで私が大叩きをしてしまったために、3打差がついてしまったのです。このままでは、父親からのリクエストの答えられそうにありません。 後半は、私のパターが決まり始め、徐々に差を詰め、17番ホールを終わった時には1打差になっていました。18番は、比較的短いパー5で、ブレークも私も3打でグリーンに乗せることが出来ました。しかし、私の方が遠く、敗色は濃厚でした。先に打った私のパットは右に大きく曲がり、1メートルほど残してしまいました。 私がパットを外したので、2打で穴に入れることが出来れば、ブレークの勝ちです。その日は、彼は一度も3パットをしていないかったので、この時点でブレークの価値が決まったと私は思いました。 しかし、ブレークの最初のパットは、わずかに穴を外し、2メートルほどオーバーしてしまいました。下りのパットだったので、スピードを読み誤ったのだと思います。戻しのパットはとても良いパットだったのですが、これも穴の脇を通り抜け、60センチほどオーバーしてしまいました。 普段の私たちのプレーだと、こんな状況ではオーケー(英語では、Give Me)をあげるのが常識ですが、父親から「あまやかさないで欲しい」と言われたので、オーケーはあげません。 結果的に私は1メートルの残りのパットを決め、ブレイクは60センチのパットを外し(つまり4パット)、90対91で私の勝ちとなりました。 後から父親と話したところ、そこのゴルフ場では90を切ったことが1度しかなく、2度目の90切りを意識したあまり、4パットしてしまったのだろうとのことです。1打目はグリーンのスピードを読み間違ったケアレスミス、2打目は90を切りたいがために強めに打った結果、とのことです。 ちなみに、ブレイクは、4月にはパインハーストで開かれる、ジュニアゴルフ大会に出場することが決まっており、そこでの優勝を目指すそうです。その大会に関しては、Netflix に「Short Game」というドキュメンタリーがあるので、興味のある方はぜひともご覧ください。 とても楽しいゴルフでしたが、一つだけ確かなことは、後2年もすれば、彼は私とは別の次元のゴルフをするようになってしまうだろうことです。2歳上にはタイガーウッズの息子もおり、彼らがどんな活躍をするゴルファーになるのか、とても楽しみです。 Tesla Roof 今回のハワイ旅行は、「理想のリモートワーク・ライフスタイル」の実現のための不動産探しが主たる目的でした。たくさんの不動産を見て、少し頭の中が混乱してしまいましたが、その中で一つ気に入った不動産があったので、正式にオファーを入れて交渉を始めました。 米国での不動産の買い方は、日本とは違って、売り手・買い手の双方がエージェントを選び、すべての交渉はそのエージェントを通して行います。売り手は、「この価格で売りたい」という価格でリスティング(売りたいという意思を州ごとにあるリスティング・サービスのデータベースに登録すること)をし、買い手はエージェントと一緒に物件を見た上で、「この価格で書いたい」というオファーを出します。 そこから正式な交渉が始まり、値段が折り合えば、手付け金をエスクロー・サービスという第三者に預けて、次の段階に進みます。 そこから、専門家を雇って家に問題がないかを調べたり(ハウス・インスペクション)、銀行からローンの承諾をもらうなどのプロセスが始まり、すべてが順調に進むと、売買が成立します。 私の場合も、当然、ハウス・インスペクションをするのですが、下見をした時から屋根の状態が良くないことには気がついていました。築14年の家ですが、木製の屋根は素人眼にもかなり傷んでいます。

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