第153回　分散型金融（DeFi）とブッロクチェーン その１、ビットコインの状況

…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第153回　分散型金融（DeFi）とブッロクチェーン その１、ビットコインの状況 …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… ▼今回の記事 まず今回は、読者からの要望が多いので、ビットコインを中心にした仮想通貨の状況についてお伝えする。 次にメインテーマとして、分散型金融（DeFi）のプロジェクトを紹介する。 ▼仮想通貨の状況 それでは今回最初のテーマを書く。ビットコインを中心とした仮想通貨の情報である。前回の記事にも書いたように、２０１８年の初頭まで紹介していたウエブボットの配信はすでに３年前に停止になっている。再開される予定はまったくない。なので、これに基づく相場予想の掲載はできない。しかしながら、あいかわらず読者の方々から、ビットコインなどの仮想通貨の情報をぜひ紹介してもらいたいとの要望が多いので、最近の情報をお伝えすることにした。 筆者は相場のプロではまったくない。したがって具体的な相場予測のような情報の提供はできない。だが、ビットコインを中心とした仮想通貨を巡る概況的な情報は提供はある程度できると思うので、紹介する。 ●ビットコインの下落 ビットコインを中心とした仮想通貨の相場全体が下落した。２月２２日には６００万円を突破したビットコインだが、３月１日には４６０万円台まで低下した。実に数日で１４０万円近い下落である。 投機的な相場の変動が激しい仮想通貨ではあるが、それでも今回の激しい変動に驚いた投資家も多いようだ。これがビットコイン終焉の序曲になるのではないかという悲観的な観測が見られるようにもなっている。 ●長期金利の上昇と企業経営の悪化懸念 このビットコインを中心とした仮想通貨相場の大きな下落の背景となっているのは、アメリカの長期金利の上昇である。２月２５日の米債券市場で１０年物国債利回りが一時１.６１％に急上昇した。前日より０.２３％高く、１年ぶりの高水準となった。 この長期金利の上昇で、銀行ローンや住宅ローンの金利も上昇するので、ローンの返済や企業経営が圧迫される懸念がある。これが背景となって警戒感が高まりり、株式市場では大きく売られ、ナスダック総合株価指数は４％近くも下落した。この金利上昇と株安は、日本や欧州などにも波及し、日経を含めた各国の株価が大幅に下落した。 このような長期金利の上昇の原因は、米国債の売りが促進したことである。長くなるので詳述はしないが、国債の市場価格と長期金利とは逆相関の関係にある。国債の売りが進み市場価格が下落すると、長期金利は上昇するという関係だ。今回も米国債の売りからその市場価格が下落したことが、長期金利の上昇を招いた。そしてこれがスイッチとなり、株価が下落した。 ●ビットコインや金の下落 さらに、こうした長期金利の上昇と株価の下落で、企業経営の悪化懸念が強まった。そのため多くの企業は資金繰りを強化する必要から、すでに資産として保有しているビットコインや金などを売ることになった。これが、ビットコイン、ならびに金の相場が同時に下落したことの背景にあると見られている。 さらに、これでビットコインの上昇トレンドが一服したのではないかとの観測が広まり、仮想通貨の相場上昇を支えれいたビットコインの投資信託から、資金が流出した。これがビットコインの下落トレンドを強めている。したがって、しばらくの間、ビットコインの相場は低迷するものと思われる。 ●インフレ懸念の払拭と相場の再上昇 しかしながら、ビットコインを中心とした相場の低迷は、長くは続かないとの観測も多い。その理由は、長期金利上昇の背景となっているインフレ懸念はすぐに収まり、金利の低下が予想されるからだ。それとともに、企業経営の先行き不安もなくなるので、資産として注目されているビットコインの買いが進んで、再度上昇トレンドに入る可能性が高いと見られている。