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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.488]何一つ変えられないまま衰弱していく残念な日本

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.488 2021.3.8                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1089》    何一つ変えられないまま衰弱していく残念な日本    ーー3・11大震災・原発事故から10年 【2】《CONFAB No.488》    閑中忙話(2月28日~3月6日) 【3】《FLASH No.398》    小学生の真摯な問いかけに我々はどう応えればい    いのかーー日刊ゲンダイ3月4日付「永田町の裏    を読む」から転載 【4】《SHASIN No.428》付属写真館 ■■ INSIDER No.1089 2021/03/08 ■■■■■■■■ 何一つ変えられないまま衰弱していく残念な日本 ーー3・11大震災・原発事故から10年 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  3・11の大惨事から10年という大きな節目を迎えて、 あの時涙まで流しながら自分の生き方を変えこの国の在 り方を革めなくてはと思い詰めたはずだったのに、何も 変革できずにいることに改めて愕然とする。この国は右 にも左にも舵を切ることができず、前進速度もどんどん 落ちて、やがて舳先からゆっくりと海に沈んでいくしか ないのだろうか。  当時、打ちのめされて筆をとる気にもなれなかった私 が、1週間を過ぎてようやくノロノロと立ち上がり、最 初に書いたのが本誌11年3月20日号の「日本は『核なき 世界』への先導者となるべきだ」だった。事態の本質を 「ヒロシマからフクシマへ」という大きな歴史的文脈で 捉えて、「核兵器も原発もない世界の実現に向かって先 導役となる」ことこそ我々のなすべきことだと訴えた。 が、思い切りのよい脱原発への方向転換は、ドイツのメ ルケル首相に先を越され、この国は今なお、何とかして 原発を残し、あわよくば外国に輸出してまで原子力産業 の利益を確保しようとする政府に支配されている。おま けに、野党第一党の代表までもが脱原発に熱心でないの を見ると、絶望的になるほかない。  しかし菅直人内閣の「脱原発」方針を早々に骨抜きに し始めたのが同じ民主党の野田佳彦内閣であったことを 思えば、それは同党のDNAの一部なのかもしれない。本 誌は11年10月23日号から4回続きで「野田内閣の脱原発 はますます怪しくなってきた」を連載して警告したが、 野田はもちろん確信犯で、彼が履き清めた道を通って安 倍晋三首相と通産原発官僚出身の今井尚也補佐官のコン ビが原発再稼働・輸出戦略を展開することになった。

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