メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

110回 予防万能社会の恐怖

和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
相変わらずワクチンが回ってこない。 何度もいうが、私の勤める川崎幸クリニックは発熱外来を設け、積極的にコロナ患者を引き受けているのに、それでも回ってこない。 いっぽう、鳥取県はワクチンを打つ医療従事者全員にワクチンを打ち終わったという。 やはりテレビのキャスター上がりで、口先だけは立派という実務能力ゼロに近い神奈川県知事と、私の知る限り最も優秀であるだけでなく、県民のために動いている平井知事ではそれだけ大きな差があるとまざまざと感じさせられた。 知名度だけで自治体のトップを選ぶと、こういう危機の際に自分たちが損をすると有権者は覚えておいた方がいいが、また現職が次の選挙でも勝つのだろう。 ただ、菅首相は横浜にカジノを作りたいので、盾をつかない市長に挿げ替えたいらしく、今の県知事が有力候補らしいという話を聞いた。 川崎に勤める人間としてはそのほうがありがたいが。 知事の出来不出来という点で、いろいろなことが言われている。 みんながマスクをしないで会食するなら団扇を持たせたらという知事はボロクソに叩かれていた。 科学的根拠がないと批判されていたが、私の印象では多少はましなはずだ。 団扇を使って実験したという話は聞かない。 実験をする前から答えが決まっているという態度のほうが非科学的だ。 それを玉川徹というキャスターは科学リテラシーがない人間は施策をやるなと断じていた。自分には科学リテラシーがあるつもりで、思い込みの対策をマスコミで垂れ流し、高齢者や鬱の人にひどい副作用を生じさせている方がよほど悪影響が大きい。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
  • 世の中のいろいろなことにたった一つしかないと考え、それを信じ込むことは、前頭葉の老化を進め、脳に悪い。 また、それが行き詰った時に鬱になるというメンタルヘルスにも問題を生じる。 ところが日本では、テレビでもラジオでも、○○はいい、××は悪いと正解を求め、一方向性のオンパレードである。 そこで、私は、世間の人の言わない、別の考え方を提示して、考えるヒントを少しでも増やし、脳の老化予防、メンタルヘルス、頭の柔軟性を少しでもましになるように、テレビやラジオで言えない暴論も含めて、私の考える正解、私の本音を提供し続けていきたいと思う。 質問、相談、書いてほしいテーマ等、随時受付。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 土曜日(年末年始を除く)