東京、大阪、兵庫、京都へ緊急事態宣言が発出されることになった。
まん延防止等重点措置では感染の拡大を防ぐことができないと判断したためだ。 とくに英国型の変異ウイルスの力が強い関西では、感染率が急カーブを描いている。
菅総理との関係を重視している大阪府の吉村洋文知事は、訪米前の緊急事態宣言要請を遠慮したと言われているが、失敗だったと言えよう。
日本はワクチン開発、取得競争で世界に大幅に遅れをとってしまった。 菅総理が訪米してファイザーにワクチンの追加を依頼したが、アメリカまで行ったのに電話会談というしまらない結果になってしまった。 ファイザートップとがっちり「グータッチ」でもしていたら、国民に対して安心感を与えたと思うが……。
現在のワクチン接種率を世界と比較してみる。
国・地域別の100人当たりのワクチン接種完了人数
(日本経済新聞より)
1位 イスラエル 54
2位 チリ 28
3位 米国 25
4位 UAE 22
5位 英国 14
日本 0.61
日本は世界と比較すると完全に遅れている。 米国国立研究機関の峰宗太郎博士研究員は「ワクチン2回摂取70%まで」は我慢しないと日本のように何度も感染拡大の波が来ると警告している。 「現在は第4波」と政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長が国会で明言したとおり、第3波を超える波が関西に押し寄せている。
英国型に加えブラジル型が混合したウイルスが「第5波」となって押し寄せたときにはオリンピックどころではなくなる。
いま日本政府が取るべき政策は、限られたワクチンを誰に優先的に摂取するかをいま一度議論することだ。 65歳以上にこだわっていては感染拡大を防げない。
クラスターが発生しているところはどこか。 それは福祉施設である。 医療関係者の優先接種と同時に、いまからでも介護や福祉の現場で働いている方々に優先的にワクチンを接種すべきである。 介護や福祉の現場でのクラスター発生率が高いことを考慮すると当然の措置である。
そして、東京や大阪の感染状況が収まらない限り結局、コロナは収まらない。 2大都市で緊急事態宣言が出されていれば、田舎の果てまで影響する。 そのことを……
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