ドクター畑地の診察室88.2021.5.9.
現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。
世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信!
https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/
三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる
現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長
診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当
https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php
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山に登って
ゴールデンウィークも終わりましたが、皆様、今年のゴールデンウィークはどのように過ごされたでしょうか。昨年同様COVID-19の影響で、どこにも出かけられない残念なゴールデンウィークとなりました。そんな中、私は人混みを避け山に登ってきました。山といっても遠くの山では無く、松阪市内にある山です。山の麓までまず10Km歩いた後、頂上を目指して尾根伝いに登ったわけですが、毎日運動している甲斐あって以前登った時よりもかなり楽に登れました。
私は今から32年ほど前、アフリカのキリマンジャロ山に登ったことがあります。キリマンジャロに行くには、タンザニアの都市モシという町で“ポーター”を雇ってから登ることになります。当時、モシには外国人向けのホテルが2つあり“YMCA”と“キボホテル”というホテルでした。準備も何もせずに行き当たりばったりの私は、登山準備をキボホテルで済ませ、ポーターを雇って登ることになりました。当時のタンザニアは、外貨獲得手段としては観光が大きな産業で、キリマンジャロ山に登るには1日あたり20ドルの国立公園入園料を払わなければいけませんでした。この入園料は自分の分だけでは無く、同行するポーターの分まで払わなければいけなかったので、学生の身にはこたえたものです。
キリマンジャロ山の頂上を目指して高地順応もかねて途中3泊しながら登っていくわけですが、まず違和感があったのは標高3700mの富士山と同じ高さの山小屋に泊まった夜のことでした。山小屋には数人のドイツ人と一緒に泊まっていたのですが、深夜息苦しさで目を覚まして窓を開けると苦しさが和らぎました。やはり酸素が薄いところの密室で、窓を閉め切って寝ると苦しさを感じるわけです。その後、4000mを超えたあたりからはかなり苦しさを感じるようになり、早く歩けなくなりました。
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