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第163回 「イールドファーミング」とブッロクチェーン その1

ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第163回 「イールドファーミング」とブッロクチェーン その1 …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… ▼今回の記事 まず今回はサブテーマとして、仮想通貨の相場全体の概況を解説する。仮想通貨の相場は明らかにインフレと相関しており、インフレの昂進から相場は上昇傾向にある。 次にメインテーマとして、「イールドファーミング」の概要について解説する。これはいま注目の「分散型金融(DeFi)」の分野でも注目されているエリアだ。 ▼インフレの昂進と仮想通貨の相場 ビットコインを中心とした仮想通貨の相場が安定的に推移している。ビットコインは600万円台の前半で推移している。大きな上昇はないものの、ゆるやかな上昇トレンドにあるようだ。その背景になっているのは、やはりアメリカなどの先進国で進行しつつあるインフレであることは間違いない。 ●よいインフレと悪いインフレ 何度も書いているが、2%程度のマイルドなインフレであれば経済成長を促進するプラスの効果が期待できる。ゆるやかなインフレで将来の製品価格が上昇するので、上昇する前のいまの時点における消費を促進させる。また、労働賃金の伸びはインフレの昂進に出遅れるので、企業は製品価格の上昇で利潤率の上昇を見込むことができる。これは事業規模拡大のための設備投資などを活性化するため、景気全体を押し上げる効果がある。 一方、インフレ率が5%あたりの水準を越えて上昇し続けると、マイナスの効果が大きくなる。インフレ率が、国債を始めとした多くの金融商品の利回りを完全に上回るので、こうした金融商品が売られて、インフレで値上がりが期待できる現物へと投資がシフトする。この結果、金融商品の相場が下落する懸念が出てくる。 また、さらにインフレが昂進し、企業の平均的な利益率を越えるようになると、生産的な投資そのものが縮小する。生産に投資をするよりも、価格上昇が期待できるモノを買い、後に売った方が利益が出るからだ。 モノの買い占めは、インフレをさらに昂進する要因になる。しかし、さらにインフレを悪化させるのは労働賃金の上昇である。製品価格の高騰に苦しむ労働者は賃上げを要求する。それは大きな抗議運動となり、社会不安の原因にもなる。政府はこれを緩和するため、労働賃金の引き上げを積極的に後押しする。一方企業は、引き上げられた労賃で低下する利潤率を回復させようと、製品価格をさらに引き上げる。するとこれで、インフレがさらに加速する。 つまり、インフレ率が5%を越えて上昇する動きに入ると、生産的投資の縮小、モノの買い占め、労働賃金の上昇、さらなるインフレの昂進というような、インフレの進行がコントロールできない状況にもなる。日本はオイルショックの一年後の1974年に、また他の欧米先進国は、1974年から1982年前後まで非常に長い間インフレのコントロールができずに長期的な低迷を余儀無くされた。その結果、インフレ率を2%程度の適切な水準に管理することは、どの国にとっても至上命令であった。それには多くの努力が払われてきた。 その結果、過去40年近く、先進国ではインフレ率は比較的に低い水準に押さえ込まれていた。どの国にとってもインフレは、大きな問題ではなくなった。 ●悪化するインフレ懸念 しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが状況を一変させてしまった。ロックダウンと社会的行動規制が原因で、凋落する経済を支えるために、アメリカを中心とした各国は、前例のない巨額の経済対策を実施した。それによって市場に溢れた資金は、あらゆる相場をバブル的な水準まで押し上げた。これは相場で利益を得た人々の消費を促進した。さらに、経済対策の一環として実施された国民への直接現金給付や、失業保険給付の延長と上乗せなどは、一気に国内の消費を押し上げる効果があった。

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  • ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
  • 昨年から今年にかけて仮想通貨の高騰に私たちは熱狂しました。しかしいま、各国の規制の強化が背景となり、仮想通貨の相場は下落しています。仮想通貨の将来性に否定的な意見が多くなっています。しかしいま、ブロックチェーンのテクノロジーを基礎にした第四次産業革命が起こりつつあります。こうした支店から仮想通貨を見ると、これから有望なコインが見えてきます。毎月、ブロックチェーンが適用される分野を毎回紹介します。
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