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第641回 失業していた方が収入がよい状況、これからなにが起こるのか?ハンク・ウエスルマン博士の追悼メッセージ
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▼今回の記事
今回はメインテーマとしていまアメリカで進行中のインフレとその背景について詳しく書く。
アメリカのインフレは予想を越えて悪化している。価格が急騰しているものもある。この背景になっているのは、政府の給付が給与を上回る職業が多くなり、その結果、労働力不足が生じている事実だ。家にいたほうが収入が高いので、誰もあえて働こうとしないのだ。労働力不足から労賃はさらに上昇し、インフレを加速させている。
どうもこの動きは長期にわたって続きそうだ。長期金利の上昇などのリスクも大きい。これが新型コロナウイルスのパンデミック後の一般的な状態になる可能性が高い。この動きに合わせて仮想通貨などは高騰している。
次に、人類学者でシャーマンのハンク・ウエスルマン博士のメッセージを紹介する。残念ながら今年の2月26日、博士は逝去してしまった。筆者は2013年にハワイで博士と対談したことがある。そのときに、大変に希望のあるメッセージを語ってくれた。新型コロナウイルスのパンデミックが続くいまの状況では、とても心強く、希望の持てるメッセージだ。
今回はいつも連載している筆者のなんちゃって小説、「ゲオルグ・天海」の掲載は割愛する。記事が長くなったためだ。
今回はこのような内容を詳しく解説する。
▼アメリカで進行する異常事態、どうなるのか?
それでは今回のメインテーマを書く。インフレと労働賃金上昇など、アメリカ国内で進行している異常な事態についてだ。
5月12日、ダウ平均株価は、680ドルを超える大幅な下落となった。3日連続の続落である。この影響で、日経も大幅に下落した。461円の下げ幅である。これは11日の一時、前日比800円に迫った下落に続くものであった。
この下落の原因になったのは、アメリカのインフレ懸念の高まりによる長期金利上昇への警戒感である。インフレは長期化する可能性が高くなっているので、米経済回復の妨げになることが警戒されている。
●アメリカのインフレの恐るべき状況
すでに日本の主要メディアでも報道されているが、アメリカのインフレはすごいことになっている。第638回の記事では次のような状況を紹介した。
鉄鋼 22%
石油製品 11%
住宅 13.4%(6月見通し)
材木 100%~300%(地域による)
これは特にインフレ率が高い品目であった。この記事を書いた4月後半の段階では、価格が安定していたものもまだ多かった。しかし、今回改めて調べて見ると、アメリカのインフレは、あらゆる製品に拡大していることが分かった。
特に高騰していたのが、以下の2つである。
トウモロコシ 50%
リンゴ 20%
トウモロコシもリンゴも、加工食品の原材料として幅広い用途がある。当初は、生産者の努力で原材料価格上昇分は製品価格に転嫁せずに切り抜けるだろうが、それには限界がある。近いうちに、これらを原材料として使う加工食品の価格は一斉に上昇するはずだ。
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