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vol.072:中国の消費者保護はどうなっているのか。三包とテスラ問題、iPhone問題の関係

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2021/05/17
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 072 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、中国の消費者保護政策についてご紹介します。 意外に思うかもしれませんが、中国の消費者保護関連の法律は、非常に厳しくできていて、消費者を手厚く保護するものになっています。その中で特徴的なのが、三包(サンバオ)です。三包とは、無償修理、新品交換、返品の3つのことです。 製品ごとに細則が決められていますが、一般的には購入してから7日目までは無償修理、新品交換、返品のいずれでも消費者が好きな方法を選べ、15日目までは、無償修理か新品交換の好きな方が選べるというものです。そして、1年目までは無償修理をするのが一般的です。もちろん、製造者や販売者が法律で定められている以上の三包期間を設けるのは自由です。 ただし、いくら法律が厳しく設定されていても、実際にその通りに行われるかどうかはまた話が別です。中には、売り逃げに近い、消費者の保護などまったく考えていない企業も存在します。 しかし、中国の消費者は黙っていません。SNSを使って、問題のある企業を非難し、その声が大きくなってくると、監督する当局が動くこともしばしばあります。当局が動くと、厳格な法律通りに運用することが求められ、違反をすれば企業が処罰されることになります。消費者がSNSを使って声をあげられるようになったということが、中国の企業と消費者の関係を大きく変えました。また、消費者協会や監督当局もこのようなSNSの声を注視して、必要な時には行動に出ます。それがわかっているので、ますます消費者はSNSで声を上げるという循環が生まれています。 今回は、企業と消費者の関係がよくわかる2013年のiPhone保証修理問題と、2021年現在進行形のテスラのブレーキ事故問題をご紹介します。 iPhoneの保証修理問題は、日本では「中国人がアップルに難癖をつけた。中国市場が大きくなる中でティム・クックCEOは謝罪に追い込まれた」というニュアンスの報道が多いのですが、アップルが考える合理的な保証サービスのあり方と中国が考える手厚い消費者保護の狭間で起きてしまった事件で、ユーザーサポートを考える上での最適のケーススタディになっています。 また、テスラのブレーキ事故問題は、現在も継続中で、ブレーキ不良による事故だと主張する女性とそれを否定するテスラ側で意見が対立して、今、中国で大きな話題になっています。 今回は、この2つの事件をご紹介し、中国の三包などの消費者保護の仕組みをご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 072 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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