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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1. 従軍慰安婦は海外でどう報道されているのか? 2.   日本についての海外報道がなぜ歪むのか? 3. 執筆後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ─────────────────────────────────── ■従軍慰安婦の海外報道 (シンガポール、ザ・ストレーツ・タイムズに見る報道) 日韓で長い間、論争の的になってきて、今だに韓国の日本大使館の前には慰安婦の少女像がおかれています。この問題、日韓以外の国ではどういった形で報道されているのでしょうか? なぜ日本の主張が世界に伝わらないのでしょうか? 解説します。 従軍慰安婦の問題は長く論争になっていますが、日韓以外の海外ではどのように報道されているのでしょうか? 従軍慰安婦問題はアジアの新聞がよく掲載しています。 今回ご紹介するのはシンガポールのザ・ストレーツ・タイムズ (海峡時報・The Straits Times) です。1845年に創刊された英字新聞で世界的に評価されています。 まずこのザ・ストレーツ・タイムズの過去1年間の主な記事の表題と副題を見ていきましょう。 ================== □「慰安婦」運動家、韓国に恥をかかせる 2020年6月6日. 日本の戦時中の性奴隷制を執拗に非難する中で、私たちは旧帝国主義者の子孫に、韓国の慰安婦問題の一部を恥じるように言ってきた。 □韓国の慰安婦施設の責任者が遺体で発見される 汚職調査の中で 2020年06月07日、 SEOUL (AFP) - 日本の戦時中の性的奴隷制度の韓国人被害者のためのシェルターを運営している女性が、自宅で遺体で発見されたという。 □安倍首相が「慰安婦」に頭を下げている韓国の銅像に東京が激怒 2020年7月28日... 東京/ピョンチャン(韓国) - 日本政府は昨日、安倍晋三首相が「慰安婦」に頭を下げているように見える韓国の銅像に怒りを示した。 □韓国、元「慰安婦」活動家を詐欺・横領で告発 2020年9月14日... ソウル(REUTERS) - 韓国の検察当局は9月14日(月)、日本の戦時中の性奴隷制の被害者を支援する団体の元リーダーを起訴した。 □日本は元性奴隷に報酬を支払わなければならない。ソウル裁判所 2021年1月8日... ソウル - 韓国の裁判所は昨日、第二次世界大戦中の性奴隷12人とその家族に賠償金を支払うよう日本政府に命じた。 □慰安婦裁判の判決は、ソウルと東京の関係を複雑にする。 2021年1月12日... ソウル(コリア・ヘラルド/アジア・ニュース・ネットワーク) - ソウルと東京の間で未来志向 の関係を築こうとする努力は、慰安婦裁判の判決に関する問題によって妨げられている。 □ハーバード大学教授、「慰安婦」を「売春婦」と呼んで怒りを誘う 2021年2月3日... ソウル(コリア・ヘラルド/アジア・ニュース・ネットワーク) - ハーバード大学の教授が執筆した学術論文が、韓国では「慰安婦」を売春婦と呼ぶことに激怒しているという。 □韓国の裁判所、日本に対する「慰安婦」訴訟を棄却 2021年4月21日... ソウル(AFP)=時事】韓国の裁判所は21日、第二次世界大戦中の性奴隷とされた女性たちが日本を相手に起こした訴訟を棄却した。 ================ 上記報道を見ると、韓国運動家の不正が見つかったり、ハーバード大学教授が売春婦だと主張したり、さらに裁判所が賠償責任はないと認めたりして、日本側に有利に進んでいるようにも見えます。 しかし、ここで注目いただきたいのは ザ・ストレート・タイムズの情報元がほとんど韓国発だという事です。記事の日付の後をみてください。ソウル(コリア・ヘラルド)、ソウル(AFP)、ソウル((REUTERS)などが並んでいます。 当然ながら、記事も韓国側の正しさを印象付けるようになっています。 たとえば最後の裁判の記事(赤字)には 「 第二次世界大戦中、 日本軍の売春宿で強制的に働かされた女性は、主に朝鮮半島や中国などのアジア地域から来た最大20万人に上ると主流の歴史家は指摘しています。 日本政府は、戦時中の虐待に対する直接的な責任を否定し、被害者は民間人によって募集され、軍の売春宿は商業的に運営されていたと主張している。」 と、客観的な記述のようで、しっかりと「20万人」と、とんでもない数字が入っています。 「主流な歴史家がそう言うのだったら、少なくとも10万人はいたのだろう」と知らない海外の人は思うでしょう。 一事が万事です。最初の記事(赤字)の慰安婦の運動家についても以下のように大文字で記されています。 「 おばあさんたちの筆舌に尽くしがたい苦しみが書かれた文献を読むと身震いし、生き残った17人のおばあさんたちの写真を見ると底なしの悲しみに襲われ 、若い人とその仲間たちがおばあさんたちを裏切り、自分たちの利益としたことを考えると恥ずかしくなる」 つまり、「(運動家の不正はあったが)慰安婦の存在と筆舌に尽くしがたい苦しみ」は事実だという印象が読者にのこります。 従軍慰安婦の論争には2つの側面があります。 1つは賠償金に関する金銭問題。もう1つは、強制連行があったか否かという歴史認識です。 賠償金に関しては、「すでに解決済みであり払う必要がない」という日本の当然の主張が通りつつありますが、強制連行そのものはあったという印象はそのまま残っています。そして 賠償金額よりも「歴史にどう記述されるか」の方がはるかに重要な問題 です。 従軍慰安婦問題において、日本は賠償金問題には勝っても歴史認識では負けつつあるかもしれないのです 。 《続きは本文でお読みください)

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