在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 大澤 裕
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1. 中国の台湾侵攻をめぐる広報・情報戦
2. 暗号通貨とデジタルアート (NFTの可能性)
3. 執筆後記
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1. 中国の台湾侵攻をめぐる広報・情報戦
台湾と中国の緊張が高まっています。
3月に米国の軍関係者からも「中国の台湾侵攻が6年以内に起こっても不思議でない」という発言があり、さらに注目を浴びています。
香港の英字新聞、サウスチャイナモーニングポストは台湾海峡についてここ2週間で以下のような表題で報道しています。
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5月21日
中国、日本に台湾をめぐる軍事的緊張を煽らないよう警告
5月23日
米国、1958年に台湾問題で中国への核攻撃を検討、機密文書で明らかに
5月27日
日本とEU、緊張が高まる中、台湾海峡の平和を呼びかけ
6月3日
台湾は中国からの防衛を誓う。しかし日本は(戦闘に)参加するか?
6月3日
日本は台湾を守る可能性が高いと、元米国家安全保障担当官ポッティンジャー氏語る
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欧米のこの問題に対する注目度は高いです。 冷戦の舞台がヨーロッパから中国と対峙するアジアに移った からです。
中国にとっても台湾は「核心的利益」の最も大きな部分です。香港やウイグルの状況をみても、「台湾を本土に統一する」という中国の言葉は単なるお題目ではありません。
もちろん米国にとっても台湾進行など許せるはずがありません。5月23日掲載の、台湾問題で中国への核攻撃を検討したことがある、という機密文章の公開は大きなけん制でしょう。
欧州も歩調を合わせており、先月にフランスははじめて日米と共同の海軍演習を行いました。
5月11日サウスチャイナモーニングポスト紙:
「フランスの海兵隊と陸兵隊は、日本と米国との合同軍事演習に参加し、 離島の防衛や海上での船舶の迎撃 など、さまざまなシナリオを想定した演習を行った。」
またイギリス海軍は空母「クイーンエリザベス」をアジアに派遣します。この夏に日米との共同軍事演習をおこなうためです。
4月26日ストレートタイムズ:
「 今回の訪問は、東アジアにおける安全保障面での連携強化を目的としている 。日本では中国による隣国台湾への脅威に対する懸念が高まっており東アジアの緊張が高まっている。」
イギリス、フランスの軍隊派遣はともに中国の台湾進行は許さないという強いメッセージです。中国と欧米がお 互いに相手の行動をけん制するための広報・情報戦 が行われているのです。
各国から問われている日本の姿勢
そして日本はこの問題から避けてとおれません。日本の地理的条件と米軍のアジアにおける戦力が集中している事からです。
そんな中、6月3日のサウズチャイナモーニング紙は「中国が台湾侵攻した際、台湾が自衛のために戦うのは当然と誓っているが、日本は参加するのだろうか?」と疑問を呈する表題です。
(以下、本文をお読みください)
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