第２４５回「困った生き物」

大人になってから虫が苦手なんですが、 そういう人は結構多いようです。 子供のころは、虫を見つけて捕まえたり、 飼って育てたりするのが好きだったのに、 いつの間にか、苦手になっていたなあ。 まあ、虫はあんまり歓迎しないけど、 草花や樹木はきれいだな、とか、心休まるなあ、とか、 思うのです。 心が疲れた時、ちょっと電車に乗って、木々の豊富な 公園に行って、小一時間ほど散策したりします。 樹木には、なぜか、人の心を沈静化して、さらに、 元気づけたり、いい方向に持っていく不思議な作用が あるんですよね。本当の話。 だから、まあ、特別、樹木や草花を育てたり、 というとこまではいきませんけど、ね、 まあ、自分の身近に植物があるとうれしかったりします。 でも、世の中には、この草花とか樹木が嫌い、 という人もいるんですよね。 僕の知り合いでも、もともと自分の住まいに、 植木がいっぱい生えていたのですが、それを切り倒して しまった人がいたりしたのです。 見るも無残に、切り倒された樹木たちを見て、 「あのさ、木とか草花とか嫌いなの？」 と聞いてみたのですが、こういう人って、「うん、嫌い」 とは答えない、「いや、木々とか嫌いじゃないんだけどさ。 なんか、蛾の幼虫がついたりするし、冬には落ち葉が いっぱい落ちて、掃除が大変だったから」 とか言う。それって、植物が嫌いな人のセリフだって。 植物が好きな人なら、落ち葉の掃除とか、幼虫の駆除とか、 そんなに煩わしくは思わない、むしろ、それも含めて、