■整理―超生産的な人の頭の中
人生は有限のリソースだ。無駄にするには短すぎる。生産性を高め
るのも、それ自体がゴールではない。人生全体を豊かにする手段な
のだ。退屈でつまらない作業に費やす時間は最小限に抑えるべきだ。
そうすれば、幸せになることにもっと時間を使える。旅行に行った
り、友人や子供との時間を楽しむことができる。さらに、刺激やひ
らめきを得られるプロジェクトに取り組むことができる。
産業革命以来、生産効率はあらゆる分野で大幅に向上したが、労働
者の生産性はむしろ停滞している。第三次産業革命でも、ITと通
信部門の生産性の伸びは鈍化している。
理由は仕事のやり方にある。会議に時間を費やし、壁のないオフィ
スのせいで作業を中断させられ、スマートフォンやパソコンに常に
意識を奪われる。メールが集中を妨げるため仕事が片付かないのだ。
★
新しいテクノロジーは人を仕事から開放するために使われるべきだ。
デジタル技術に振る回されるのでなく、役立てるべきだ。やる気や
集中力を高め、整理整頓し、スピードを上げる方法を学ぶべきだ
そのためには、正しいマインドセットを持つことだ。価値の低いタ
スクはできる限り回避し、自分が本当にやるべきことについて戦略
を立てるのだ。
繰り返しの退屈な作業に長時間はまった時は「二度と同じことをし
ないためにはどうすればいい」と自問する。もちろん、仕事に追わ
れながら、やり方を振り返る時間を作るのは容易でない。
投資型のマインドセットを持つべきだ。長期的成果のために短期的
努力をする意識だ。継続的に改善する意識「投資型マインドセット」
をもって、改善をルーティン化することだ。
★
1%の改善が膨大なメリットを生むものだ。最初は取るに足らない。
40時間でわすか30分ほどの節約だ。周囲も自分も気づかないほど
の進歩だ。最終的には大きな違いを生む。
週に一度、ほんの1%の時間を節約する変更を加え続ければ、1年
後には1週間かかる仕事が24時間でできるようになる。雪玉が転が
りながら大きくなるようなものだ。
このアプローチを取ることで利益を得ることができる。一つの改善
が多くの価値を生むために以前の方法に、戻る子男は考えられなく
なる。
やる気を維持するには、初期投資が大きいほど見返りも大きくなる
ことを知っておくべきだ。これが生産性を高める秘訣だ。小さな改
善を継続すれば、最終的に大きな違いになるのだ。
★
生産性の高さは、生まれながらの才能ではない。仕事を早く終わら
せて、家族との生活も楽しみつつ、副業でプロジェクトを成功させ
る人はいる。
そういう人は、超効率的になるために、日々の時間を投資してスキ
ルを磨き、テクニックを身につけているのだ。ゆっくりだが着実に、
自分自身と習慣を改善するために時間を投資してきたのだ。
前向きな変化は徐々に表れる。はじめは、成果にほとんど気づかな
いかもしれない。だが、がっかりすべきではない。いつか振り返っ
た時、ずいぶん遠くまで来たことに驚かされるはずだ。
★
超生産的になるには、まず「整理」だ。上手に時間を割り当てる。
次に「集中」だ。作業に必要なだけの意識を向けるのだ。最後に「加
速」だ。作業をできる限り迅速かつ効率的にやり遂げるのだ。
各スキルの重要性は、役割で変わってくる。若い従業員なら仕事の
生産量が大事だから「集中」と「加速」を学ぶことだ。マネジャー
なら、従業員の勤務時間を「整理」することが大切だ。
幹部レベルなら、時間を効率的に「整理」すると同時に、長期的に
見通す戦略を立てる必要がある。そのためには「集中」する能力も
発揮すべきだ。いずれにしろ早く取り組むべきだ。
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