━=━=━=━=━=━=━=━=
言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
━=━=━=━=━=━=━=━=
Vol.119
2021.6.15
■□■……………………………………
目次
……………………………………■□■
【1】 『尊敬と感謝に値する国
自国民の「命」を守るとは(下)』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
……………………………………………
【1】 『尊敬と感謝に値する国
自国民の「命」を守るとは(下)』
……………………………………………
感動の秘話
ある商社マンの覚悟
私は、もちろん商社で働いたことはなく、その実態をまったく知らなかったが、商社は本当にすごいことをするんだなと驚いた。
日本政府が救援機を飛ばせずに時間だけが過ぎていく中、イランのお隣、トルコのイスタンブールにある伊藤忠商事事務所長、森永堯(たかし)さんに東京の本社から電話がかかってきた。森永さんにとって、2度目のトルコ赴任からまだ2ヶ月しか経っていないときのこと。
「トルコ政府を動かして、イラン在留法人のために、トルコ航空に救援機を出してもらってくれ」
無茶苦茶な指令だ。
この指令に、森永さんは疑問に思う。
「今起こっている問題は、日本人の問題。なぜ関係のない第三国・トルコを巻き込まなければならないのか」
「トルコは国境をイランと接しており、日本とは比較にならないほど多くの国民がイランで働いている」「トルコ政府にとっては、まず何よりもそのトルコ人を助けるのが急務」
それなのに「日本人を助けてくれなどという虫のいい要請は、人として許されるのか」
イランでは伊藤忠の多くの社員も助けを待っている。だから東京本社の「藁にもすがる思い」も理解はできる。だが、トルコ政府にお願いするにしても、「なぜトルコ政府が日本人のために動かなければならないのか、どうしてトルコ航空なのか」と問われれば、それに答えなければならない。
:
:
一国の首相に「助けてください」と直訴
森永さんは悩みながらも、オザル首相に電話をする。
「トルコから救援機を派遣して、テヘランにいる日本人を助け出してください。これはイランにいる日本人が困っている話なので、イランと日本の問題であり、本来、トルコには何の関係もないです。けれど日本は救援機を出そうにも遠すぎて、サダム・フセインの出した警告の時間に間に合わない可能性があります。また、イラン航空ではイラク機に撃墜される危険性もあります。いま、日本にとって頼れる国はトルコしかないのです」
これには「大きなウソ」が含まれている。そもそも日本政府には救援機を飛ばす気がまったくない。遠いからではない。だが、その事実を隠さなければ、多くのトルコ人を差し置いて、日本人のための救援機を出してくれなど、とても頼めない。だから、そう言わざるを得なかった。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)