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第2回:成長戦略とは(菅政権になって何が変わったか)

政策人材のための教科書 ~現場の声を政策につなげるために~
  • 2021/06/19
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1.成長戦略とは何か 今年も6月18日に成長戦略が策定されたとニュースが出ました。 正確には、「成長戦略実行計画」という文書が閣議決定されたということですが、兼業、副業の解禁、デジタルガバメントの推進などの目玉政策が紙面を飾っているので、目にした方もいると思います。 この成長戦略というのは、毎年、通常国会が終わる6月中旬に取りまとめられるので、名前を聞いたことがある人は多いかもしれませんが、成長戦略って、いったいなんなのでしょう。 なんとなく、経済成長のために政府が方針を出したと受け止めている方も多いかもしれません。 それはそのとおりですが、以下のような問に明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。 ・成長戦略に掲載されることは、政策の実現にどういう意味があるのか? ・成長戦略に掲載されると、その後何が起こるのか? ・成長戦略はどうやって決まっているのか? ・成長戦略とはそもそもどういう目的で作っているのか? 実は、成長戦略に掲載されるということは、その後の予算や法律案など具体的な政策を進めることを政府として意思決定することなので、政策の実現のプロセスとして、とても重要な意味があります。 なので、企業や産業界など、ビジネスをやっているような人たちは、自分たちが実現したい政策が成長戦略に掲載されるよう、積極的に働きかけを行っています。 民間から政策を提案する人たちには、ぜひとも知ってほしいことを今回はまとめました。 ちなみに、上に挙げた問いに対して明確に答えるのは、実は若手の官僚にとっても難しいことなんです。 成長戦略はいわゆる官邸マター(※)で、政府の政策に強い影響を与えるということは霞が関でも広く理解されています。 ※総理や官房長官が主導するような案件について霞が関ではこう呼びます。 でも、若手の官僚にとっても、そのプロセスは見えにくいと思います。 5~6月に成長戦略をとりまとめる事務局である「成長戦略会議事務局」から、案文について短期間の〆切で各省庁に協議がかけられます。 若手の官僚の人たちは、こうした協議を受け取り、内容を確認したり、上司に了解を得たりといった、作業に追われるという形で関わっているのではないでしょうか。 協議の作業が終わって、ホッとしていると、しばらくして政府方針として決定される、という感じに見えているのではないでしょうか。 千正が若手だった頃と違って、霞が関もとても忙しくなって、若い人が扱っている作業に、どういう意味があるのかということを、先輩たちからざっくばらんに教えてもらう時間もなかなかなくなっているような気がします。つい2か月余り前まで霞が関にいた西川も、そういう状況をなんとかできないかと思っていました。 せっかく、大事な作業をしているのだから、みんなが全体像が分かった上で、取り組めたらよいのに。そう思っています。 今回の記事は、内閣府からの様々な協議の作業に追われる若手の官僚の皆さんにとっても、成長戦略の全体像がつかみやすいものにしていますので、読んでいただけたら嬉しく思います。 今回は、成長戦略に重点を置いて、 ‐骨太の方針と成長戦略の違い

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