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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第434号2021.6.15配信分
●VWの罪を不問に付すメディアとゴーン日産スキャンダルの間にあるもの
2015年9月18日に発覚したフォルクスワーゲン(VW)のディーゼル排ガス
不正問題は、既に5年以上が経過した今もなお明快な解決をみていない。それ
どころか日本においてはまったく不問に付された観もあり、VWグループ企業
などはまるで何事もなかったかのように振る舞ってもいる。
ことはドイツ自動車産業の中核を成すメガサプライヤーのロバートボッシュ
社製と言われる(ディフィート)デバイスが採用され、事の如何を問わずそれ
を用いて排ガス規制をパスしていたこと自体が問題視されていたはずだった。
要するにドイツ自動車工業会(VDA)全体に跨がる話であり、根本のコモン
レールディーゼルシステムとセットで存在していたと疑われる”デバイス”は
VWグループ、BMWグループそしてダイムラーAGグループに名を連ねる各
ブランドのディーゼルモデルが共有する疑惑の種だったはずである。
私は比較的早いタイミングからコモンレール式ディーゼルエンジンによって
活性化されていた欧州市場におけるディーゼルエンジンブームに注目していた
者である。それは2005年頃だったろうか。前年に欧州市場にトヨタが環境エン
ジンのデファクトスタンダード狙いでハイブリッドシステムTHS-IIを採用する
大本命2代目プリウス(NHW20)を投入した。自動車を発明した盟主として高い
プライドを持つゲルマン民族の血筋はテクノロジーで後塵を拝することを潔し
とはせず、「我々にはディーゼルがある」と気炎を吐いたことを思い出す。
コモンレール式ディーゼルの商用化は、実は日本のデンソーが最初だった。
商用車用として1995年に実用化に成功しており、世界に先鞭をつけている。当
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