【天使の嘆き】
「キター!」
ついに3冊目の本が出版された。
待ちに待った3冊目である。
作家にとって、3冊目の出版が大きな鍵になるといわれていた。
一発屋で終わるのか、作家人生がつづくのか、3冊目の出版ができるかどうかなのである。
リュウトにとって、本を書くのはいくらでもできることである。しかし、その本が出版されるかは別問題だ。
3冊目の原稿を編集者に提出し、出版になるか出版社で協議して決まるのだ。
その返事は…
「あぁ、リュウトさんの原稿なら問題ないから直ぐに編集して出版してください」
社長の一言で決まったのだった。
通常は、会議をして売れるかどうかを皆んなで判断してから、出版するかどうか決まるのだが、リュウトのデビュー作と2冊目は異例の売り上げを挙げたので、いきなりベストセラー作家になっていたのである。
そして、ようやく出版の日がきた。
自分の本が本屋に並ぶのを見るのがリュウトの喜びであった。
翌月、出版社から依頼があり、東京の出版社の会場で出版記念講演会を開催することになった。
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