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【Vol.384】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「宮家問題も時間との闘い」  6月16日、「安定的な皇位継承策を議論する有識者会議」(座長・清家 篤氏)の第7回会合が首相官邸で開かれたそうで、現在の皇位継承順位を前 提とし、男系男子を尊重した上で皇族数の増加を検討する方針を確認したと 報じられています。  菅総理は、女性・女系に踏み込むだけの政治的資産もないようで、この 「皇族数の増加」ということで、男系の超遠戚を皇族に加えることも加えて、 政治的には玉虫色にして乗り切ろうという気配です。  報道では、政府高官(加藤勝信氏?)は「論点整理するだけでは資料提供 みたいだ。方向性を出さないと受け取る側もやりようがない」と語ったそう ですが、つまり方向性ということでは、女性宮家もやるが、男系超遠戚も入 れるということで、左右のバランスを取ろうということなのかもしれません。  この問題ですが、とにかく切迫感が感じられません。どういうことかとい うと、とにかく切迫感が必要な問題なのです。つまり、時間がないのです。  というのは、皇族というのは、歌舞伎役者と同じで非常に特殊なスキルな のです。世界最高レベルの社交プロトコルと、日本を代表する文化と儀礼の 外交官、そして究極の政治的中立と究極の無私ということを、24時間36 5日演じなくてはならないのです。  その技能獲得には、長い時間がかかりますし、人格形成と表裏一体のもの としての訓育が必要です。ですから、遅くとも3歳から4歳ぐらいから訓練 を始めなくてはなりません。そうでなくては、成人しても公務に投入できる 戦力にはならないのです。  これは実務の問題です。そして時間はありません。国のかたちと皇室制度 について熟知し、切迫感を持ちながら実務を回す司令塔のような存在を作っ て、方針が出たらすぐに対象者の訓育に集中する体制が必要と思います。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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