一票の格差は重い。
都会でも田舎でも、国会議員を選ぶ民意は平等でなくてはならない。 これが憲法の理念である。
5万票で当選できる選挙区もあれば10万票獲得しても落選してしまう選挙区もある、という状態は憲法の理念に反する。
最少の鳥取2区は人口27万4160人、最多の東京22区は人口57万3969人と、2倍以上の差が開いている。 是正しないと憲法違反になるので5年ごとの国政調査を反映して選挙区の区割りを確定する。
今度の国勢調査速報値を基にすると新たに一票の格差を是正するために導入されたアダムス方式による計算方法では衆議院10増10減となる。
選挙区数が増えるのは、
東 京=25→30(5増加)
神奈川=18→20(2増加)
埼 玉=15→16(1増加)
千 葉=13→14(1増加)
愛 知=15→16(1増加)
となっている。 ご覧のとおり、すべて都市部で、東京は一気に5つも増加する。
一方、選挙区数が減るのは
宮 城=6→5
福 島=5→4
新 潟=6→5
滋 賀=4→3
和歌山=3→2
岡 山=5→4
広 島=7→6
山 口=4→3
愛 媛=4→3
長 崎=4→3
で、田舎の定数はますます減少していく。
一票の格差を是正するためには当然のことであるが、これでは選挙区があまりにも広すぎるところが出てくる。 地方の声はますます反映しづらくなる。
このままでは鳥取県と島根県の衆議院選挙区は、次の区割り改定でそれぞれ一つになる。 北海道では、四国や九州と同じ広さの選挙区が作られることになっていく。 すでに私どもの北海道11区は岐阜県と同じ広さだ。 北海道12区は岩手県と同じ広さになっており、このまま拡大するといずれ四国や九州の面積を超えてしまう。
ここは思い切って、「飛び地」で都市と田舎を一つの選挙区にすることを検討すべきはないだろうか。 都市と田舎の利益は相反することも多い。
しかし、日本全体を考えられる政治家を育てるためには……
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