インフレ急騰下での米金利低下に終止符
「インフレ急上昇でも米金利低下」
5月の米国消費者物価は、前年比5.0%、FRB(連邦準備制度理事会)がインフレ率の尺度とする個人消費デフレーターでは前年比3.9%の上昇と、いずれの指標でも米国のインフレ率は、物価安定目標の2%を大きく超えてきました。その中で、当局の利上げ予想が当初の2024年以降から23年に前倒しされ、2年国債利回りはこれを織り込んで、従来の0.15%前後から0.26%前後に上昇しました。
ところが、10年国債利回りは3月末には一時1.75%を超えるまで上昇したのですが、その後は高いインフレ指標が出てもこれを無視して低下を続けました。3月分以降の雇用統計が予想を下回ることが多かったほか、FRB幹部がインフレ率の上昇は一時的との説明を市場が受け入れたこと、そして雇用がコロナ前に戻るまで全力て支援するとの議長発言も効いたようです。
ところが7月2日発表の6月の雇用統計が、85万人の雇用増、平均時給3.6%増など、強い内容であったにもかかわらず、10年国債利回りは一瞬上昇しただけで、すぐに低下。終盤には1.43%まで低下しました。失業率が0.1%上昇したとか、労働参加率が61%台のまま高まらないなど、あえて弱い点を指摘し、FRBがゼロ金利をすぐには変えないと、無理にこじつけようとしている感さえあります。
しかし、以下の点を考えると、こうした長期金利の低下にも近々終止符が打たれ、改めて上昇に向かうと見られます。
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