台湾が民主主義擁護の天王山
習氏の加齢で開戦判断は困難
離島奪取で小規模の戦争危機
先進国の「中国嫌い」が激増
中国との貿易遮断が現実課題
中国共産党100周年は、習近平氏の一人舞台であった。一時間余の演説で、中国を圧迫する勢力を粉砕する、台湾解放は歴史の使命、とアピールした。習氏は、国内向け演説の積もりで発言したであろうが、思想的に中国と対立する西側諸国は「宣戦布告」と受け取ったはずだ。
西側諸国には台湾問題が、民主主義の価値観を守る砦という位置になっている。世界は、香港が無惨にも自由と民主主義を踏みにじられてゆく姿を何らなすところなく傍観した。この歯がゆさは、台湾を守らなければならないという意思を強めている。
習氏の感覚では、香港の次は台湾という陣取り合戦であろう。だが、米国は第一次・第二次の世界大戦へ参戦した理由として、一貫して自由と民主主義を防衛するという大義があった。対中国への防衛意識もこの大義の延長であろう。習氏にとって台湾解放が、歴史的使命であるとすれば、米国には自由と民主主義防衛を大義とする。結局、歴史的使命と民主主義防衛の大義が対立して、不幸にも武力で最終決着を求めるリスクを抱えるにいたった。
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