■10倍株に目をつける
「会社四季報」は、株式投資の基本的なデータブックだ。実に豊富
な情報が載っている宝の山だ。うまく使えば、株式投資で成功する
ことができ、ビジネスのチャンスが生まれるはずだ。
ただ、残念ながら本書は「株のバイブル」ではない。「四季報」を
読破するだけでは、株式投資で絶対に良い成績を上げられるわけで
はないのだ。
業績や企業の経営状況が良ければ、その会社の評価は高くなる。だ
が、それは株式投資で「差益を得られる」「リターンを得る」こと
とは別物だ。
「テンバガーの条件」なるものがよく語られる。だが、情報を遅れ
て手に入れれば、先に買った人の後塵を拝してしまう。売買のタイ
ミングが悪ければ「含み損」を抱える。
そこで、四季報の価値を見誤らないようにすることだ。また、四季
報では株価が上がる可能性大の企業も読めるが、逆の情報も読める。
最悪のデータを見逃さないためのリスク回避のツールにもなるのだ。
★
紙の四季報に掲載されているチャートは「月足」の長期向きのチャ
ートだ。オンライン版は1分足から月足まで選べる。昨今の売買で
多用するのは、日足、週足だ。
短くて1分足、5分足等だが、安心して中長期の投資をするなら、
月足でなだらかな右肩上がり、かつ業績が順調に伸びているかを見
定めるべきだ。これなら投資で勝つ確率が極めて高くなる。
もちろん、月足チャートの形が良くても、突発的な事件で株価が急
落している銘柄もある。加えてネット検索も怠るべきでない。四季
報オンライン等で長期の上昇率でのスクリーニングもすることだ。
しっかりした目で見れば「儲かる銘柄」が割合簡単に見つかるもの
だ。極めて高い確率で右肩上がり、すなわち金が増えるチャートの
銘柄に投資するべきだ。
★
株価が大きく化ける、テンバガー株になる要素が「オーナー社長」
だ。新興の銘柄に多いが、経営責任者がオーナーゆえに、意思決定
が迅速で、時の流れに乗ったビジネスを機動的に進められる。
大きく化けた銘柄の中には、トヨタ、ソフトバンク、ソニー、日本
電産、ファーストリテイリング、京セラなどがある。これらの多く
が、強烈な個性を持つ創業者が株を持つオーナー企業だ。
その大化け企業の黎明を四季報で探すのだ。そこに株価が化ける要
素がある。楽しみな四季報の作業だ。若い会社の創業社長がトレン
ドのビジネスで成長を目指すのだ。日本の未来は明るい。
★
時価総額と浮動株に注目すべきだ。株価が大きく化ける、テンバガ
ーになる要素としては「時価総額が小さいこと」「浮動株が少ない
こと」というのが、重要な要素だ。
いかに素晴らしい企業でも、大企業、重厚長大の会社の株価で10
倍を狙うことは「ないものねだり」だ。安定していても、大きく化
ける可能性は極めて少ない。
その点からすれば、東証一部の小型株、二部の銘柄、ジャスダック、
マザーズの銘柄が対象になる。もちろん、小さいだけで株価が上が
るわけではない。業績その他が揃った上での「時価総額」論だ。
化ける要素のある銘柄は、時価総額、浮動株の条件で探せば、たく
さん出てくる。その中で、自分なりの物差しで有望な銘柄を確保す
るのが一番だ。
化ける可能性のある小型の銘柄、IPO銘柄は、良く監視するべき
だ。そして、強かにタイミング良く投資して利益を確保するべきだ。
それが四季報の賢い活用法といえる。
このように四季報には修羅場を生き残る知恵が詰まっている。ポイ
ントを押さえれば時価総額が大きく化ける「テンバガー株」を見つ
けることもできる。四季報は株式投資に必携なのだ。
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