1.予算とは何か
今回は予算についてお話しますが、その前に、少し第一回目の記事の内容をおさらいしてみましょう。
第一回目の記事「そもそも「政策」とは何か」で、
政策とは、政府独自のリソースを活用して、人々の行動変容を促し、社会課題を解決する仕組み
と説明しました。
第一回目の記事では政策の中には、いくつか種類があることもお伝えしましたね。予算も、その中の一つに含まれています。
コロナ禍の政策でも様々な「予算」が作られました。
例えば、都道府県の時短要請や休業要請に従った飲食店等に対して、一日あたり数万円の支援がされていますが、これも「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」という国の予算がもとになっています。
これは、人々が間近で会話することにより、感染のリスクが高まるようなお店の休業や時短により、新型コロナウイルスの感染拡大を防止することを目的としています。
もし、このような休業や時短の要請を受ける飲食店等に対する経済的な支援がなければ、飲食店などの経営者は、倒産してしまうかもしれませんし、逆に、自分や従業員の生活を守るために、要請に従わずに営業を続けることを決断する可能性が高くなるでしょう。
もちろん通常営業をする場合と比べると十分な支援ではないかもしれませんが、このような支援があることによって、飲食店などの経営者が休業や時短の要請に従いやすくなることは間違いないでしょう。
このように、予算とは
金銭という動機付け(インセンティブ)を与えることにより、人々の行動を変化させるツール
と考えることができます。
2.国の予算づくりは表向きは7月からスタート
なぜ今回、予算をとりあげたか。
実は、7月は国全体の予算の中身を決めるプロセスのスタートラインだからです。
例年7月には、財務省が概算要求基準を公表します。
概算要求基準とは、国全体の予算の使い方について取りまとめる立場にある財務省が、予算の具体的な使い方を考える立場の各省庁に対して、次の年度の予算として財務省に提案してもよい大まかな基準を示すものです。
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