■視点を増やす「視点読書」
ビジネス書を読む目的は「視点」と「法則」を増やしていくことだ。
「視点」とは「何を考えるべきか?」であり、「法則」とは「どう
考えるべきか?」だ。ビジネスパーソンにとって非常に重要だ。
「視点」と「法則」には「何を考えるべきか?」(視点)×「どう
考えるべきか?」(法則)=「あなたなりの結論」という方程式が
成り立つ。
人は「視点」を通してでしか物事を考えることができないのだ。一
方で「視点」を持てても、その視点に沿った形で「どう考えればい
いか」がわからなければ、結論にたどり着くことはできない。
そこで「法則」だ。「このようなときはこうなりやすい」「こうい
うときはこうしたほうがいい」などの「法則」を数多く知っておく
ことで、考えに行き詰った時、大きな助けになるのだ。
★
「視点読書」とは「何を考えるべきか?(視点)×どう考えるべき
か?(法則)=自分なりの結論」という方程式の前半部分にあたる。
そのステップは、大きく2つある。
まず、ビジネス書から「視点」を発見することだ。「この文章には、
どんな視点が隠されているのか?」という質問をぶつけながら「視
点を発見する感覚」で読み進めていくのがコツだ。
たとえば、書籍の中に「うまく仕事の段取りを進めるにはどうすれ
ばいいか?」について解説するパートとして、次のようなくだりが
あったとする。
すなわち「仕事の漏れや重複は、作業の一部ばかりに視点が集中し
て段取り全体が見えていないときに起こる。まずは、これから必要
になる作業をすべて洗い出しておくべきだ」というものだ。
この文章を読んで「どんな視点が隠されているのか?」質問する。
正解も不正解もない。たとえば、この文章に隠された視点は「段取
り全体の視点」と「部分的な作業の視点」と捉えるかもしれない。
このように自分なりに「視点」を発見できら、ビジネス書のこの文
章が書いてある場所にアンダーラインを引く。そして、余白に発見
した視点とメモを書き加えておく。このメモが大きな役割を果たす。
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続いて「発見した視点」を抽象化してとらえ直す。前出の文章から
「段取り全体の視点」と「部分的な作業の視点」という2つの視点
を発見したとする。
これに対して「幅広く応用できる“概念”に置き換えられないか?」
という「抽象化の質問」をぶつけてみる。この「抽象化」にも正解・
不正解はないことに注意するべきだ。
たとえば「段取り全体の視点」を全体の、「部分的作業の視点」を
部分の視点と置き換える。こうして特定のシーンから離れ、一般的
意味に置き換えれば「応用可能な視点」になるのだ。
★
続いて応用だ。「全体の視点」と「部分の視点」を何に応用できる
か?考えてみる。まず「情報収集」という作業に応用することを考
えてみる。
もし、自分の中に「全体の視点」と「部分の視点」がなければ「情
報収集の全体像」を考えず、いきなり絨毯爆撃的に情報収集をはじ
めてしまうかもしれない。
すると「何をどこまで情報収集すべきか?」という全体を把握しな
いまま情報収集を始めてしまうことになる。だから、終わりが見え
なくなる。「いつまでも情報収集が終わらない」状態に陥るのだ。
だから、まず「全体の視点」「部分の視点」を手に入れることだ。
そうすれば、事前に「収集すべき情報の全体像は何か?」に思いを
馳せることができるはずだ。
こうすることで「何を」「どこまで」情報収集すべきか?という「全
体」が定義できる。その結果、モレも重複もなく「部分」に分ける
ことができる。結果、効率的な情報収集ができるようになるのだ。
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