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佐々木俊尚の未来地図レポート 2021.8.2 Vol.664
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【今週のコンテンツ】
特集
「望遠鏡的博愛」から脱却し、日本国内の貧困と格差を見つめ直せ
〜〜ピケティもトッドもサンデルもカズオ・イシグロもこぞって訴えていること
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■特集
「望遠鏡的博愛」から脱却し、日本国内の貧困と格差を見つめ直せ
〜〜ピケティもトッドもサンデルもカズオ・イシグロもこぞって訴えていること
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「望遠鏡的博愛」ということばがあります。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』などで有名な19世紀のイギリスの文豪、チャールズ・ディケンズが発明したことばです。どういう意味かというと、遠くの人にばかり慈愛を向けて、目の前の貧困や苦難は無視してしまうこと。
ディケンズは『荒涼館』という晩年の長編小説でこのことばを使いました。ジェリビー夫人というアフリカの慈善事業にいたく熱心な女性が出てくる。なのに彼女は、自分の家のことは完全に放置で荒れ放題なのです。彼女の博愛は近くには向かわず、望遠鏡でしか見えないような遠くにだけ向けられているという意味で「望遠鏡的博愛」であるとディケンズは揶揄したのです。
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