第172号(2021年8月6日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもお読みいただきありがとうございます。
また、コメントやご質問、ご相談も頂戴し、本当に嬉しいです。
ちょうど今日は、広島に原子爆弾が投下されてから76年目の朝になります。
縁あって今年4月より、広島県の非核化の取り組みである【ひろしまイニシアティブ】を
国際的な核廃絶に向けた動きの柱として進めるために設立されたHiroshima Organization for Global Peace (HOPe)の
プリンシパル・ディレクターに就任しました。
被爆者の皆さんはもちろん、未来の世代に核兵器なき未来を届けたいと望む多くの人たちの思いを乗せた、
非常に重要な取り組みのかじ取りをさせていただけるという栄誉にあずかり、気持ちを再度引き締める朝になっています。
さて、今週号のメルマガですが、
まず【1】のコーナーでは、先週に引き続き、
交渉・コミュニケーションの際に目指すべき姿として
【正面衝突を避ける姿勢(Non-confrontational attitude)】についてお話ししています。
今週号では
『もし、自らがnon-confrontationalなタイプであって、交渉相手がイケイケ・ドンドンな強気なタイプなら、
または、相手が理論・データ偏重型のタイプなら、どのように対応すればいいのか』
についてお話しします。
内容は、本編をお楽しみに。
次に、国際情勢ですが、今週もいろいろな動きがありました。
一つ目は、【世界のコロナ感染者数が2億人を超えた】というニュースです。
8月4日にBCCからのalertで知り、その後すぐにWHOサイトでも確認できました。
欧米諸国ではいったん感染者数も落ち着き、次々と経済活動も人の移動も活発になり、
ワクチン接種が終わっていたらマスクなしでの交流も可能という思い切った策に出ていましたが、
このところ、デルタ株の流行で感染者数の増加に歯止めがききません。
このコロナがらみの情勢は、まだまだ先が長いような気がします。
二つ目は、【ミャンマー情勢】についての考察です。
2月にクーデターが発生してから早くも半年がたちました。
アウン・サン・スー・チー女史は訴追され、事実上、軟禁状態になっています。
彼女が率いたNLDも、公的な場への出席が制限され、国軍と軍政によって解党へと導かれています。
そして、国軍がNLDの無力化を画策して行った少数民族との融和政策も転換し、
今では国軍サイドからの攻撃対象になっており、国内の治安は極度に悪化しています。
そのような中、9月の国連総会への出席を目論んでいるのか、
アウン・フライン総司令官がついに緊急事態宣言下で“暫定”政府の樹立を宣言し、
そして自身が“暫定”首相について統治をおこなう旨、発表しました。
暫定ではあっても、憲法の規定上、今の緊急事態宣言が終わった後も、6か月ごとに2度、宣言の延長が行えるため、
実質的には2023年ぐらいまでは宣言が引き延ばされ、
権力の掌握の既成事実化と、民主化勢力の一掃を完成させる目論見であろうと思われます。
UN総会にミャンマーの国家元首として参加することで、軍政による統治を既成事実化し、
ずっと拒んできたASEANからの外交特使の受け入れにも前向きな発言をするなど、軍人色を薄め、
政治的な発言にシフトさせていることが分かります。
今後、ミャンマーの命運はどうなるのか。非常に懸念を抱いています。
そして3つ目は【米中対立の狭間にいる台湾の命運】についての分析です。
日米が主導し、そこに豪州や英仏独という欧州勢が加わり、南アジアの雄であるインドが加わって、
対中包囲網を形成しています。それが中国を苛立たせ、より強硬な立場・発言が目立つようになっていますが、
その主たる対象は、中国にとっては不可分の領土の一部と規定し、
絶対に“再”統一を達成しなくてはならない台湾をめぐる駆け引きです。
今回【2】の【国際情勢の裏側】のコーナーでは、
この台湾をめぐる米中間の駆け引きについて、
【台湾は米中対立の犠牲なのか?それとも抑止のカギなのか?】と題してお話しします。
今回もいろいろなお話しをしますが、どうぞお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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