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パンデミックの中で

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室103.2021.8.22. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php **************************************** パンデミックの中で 都会の病院ではCOVID-19病床が逼迫しており、1週間以上続く発熱があっても入院することができません。今回の第5波は、高齢者の感染者はワクチン接種を済ませていることもあり、今までと比べて圧倒的に少ないですが、若年の感染者でも重症化し、人工呼吸器に繋がれる人がいるのが特徴です。しかし、若年の重症感染者は、今までのCOVID-19の高齢の重症感染者と違い、適切な人工呼吸器管理などをしてあげれば、改善することが特徴です。したがって、今まで以上に医療はきっちりと供給できるようにしたいところですが、都会においてはそのような状況ではなく、入院もままならないのが現状ではないでしょうか。今までのように各県単位の受け入れ計画から、日本全体で(特に田舎では余力があるところもあるので)受け入れを考えていく時期なのかもしれません。 そのようなことを切実なものとして捉えている若年者は、ワクチン接種も済ませており、COVID-19に感染するリスクは少ないのが特徴です。若年の感染者はワクチン接種などせず、全くひとごとだと思っている人も多く、入院態度も“無断外出”“無断喫煙”など散々な患者さんが多くいるのが特徴です。心情的には、普通に生活していてやむを得ず感染した場合には優先して入院させてあげたいのですが、そういったわけにはいかないのが現状です。 今回のデルタ株は今までの株と比べて感染力は一味違い、とにかく強力です。今までのCOVID-19の場合、ワクチンを接種していれば、ほとんど感染することはありませんでした。しかしデルタ株は頻度として少ないものの、感染するリスクがあることは事実です。特に超濃厚接触の場合、いくらワクチン接種済でも感染するリスクが増加するため注意が必要です。また、日本にワクチンが供給され出した初期にワクチン接種した医療従事者の抗体価はかなり低下してきており、そのこともデルタ株がワクチン接種者に感染する理由の1つとなっています。

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