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ビジ選☆リーダーズ Vol.915『減量の正解』(エリック・ヘミングソン)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■なぜダイエットは「失敗」するのか 「肥満は個人の責任」という。ダイエットの失敗は意思の弱さに原 因があると言われている。だが、それは大きな誤解だ。体重の増減 には様々な要因が重なっている。その多くは意思とは無関係だ。 世の中には、太りやすい人もいれば、いくら食べても死ぬまで糸の ように細い人もいる。私たちは、みな違った環境下で生をうけ、体 重の増え方も人それぞれ異なるのだ。 水分バランスや呼吸、体温を調整するように、人の体は体重をコン トロールする。だが、これは必ずしも遺伝学的・生物学的だけの問 題ではない。他の要因も遺伝子と一緒に体重に影響を及ぼす。 要因には、食事の内容や運動習慣のように、自分の意思でコントロ ールできるものもあれば、意思の及ばないものもある。特に幼児期 の経験は、数十年後の体の働きを左右する大きな影響力を持つ。 ★ 肥満の重要な原因のひとつに、幼児期の過ごし方がある。たとえば、 穏やかで愛情に恵まれた家庭で育ったか、騒々しい環境で愛情に恵 まれず育ったかは肥満に大きくかかわる。 理想の体重を手に入れるには、体の仕組みと、体重を維持するのに 必要な知識を理解すべきだ。これまでの伝統的なダイエット方法は、 ひたすら死に物狂いに減量に励むだけだった。 ライフスタイルも、もちろんダイエットに大きな役割を果たす。特 に食事、つまり自分が食べるもの、食べ方、食べるという行為その ものが減量に大きくかかわる。 食欲や満腹感、空腹感など軽視しがちな体のシグナルを理解するこ とだ。「スーパージャンクフード」と呼ばれる現代の食品は問題だ。 高カロリーだが栄養に乏しく、砂糖と油と塩分が味つけに使われる。 ★ 体重を減らすことは、食事制限を数週間続ければできるほど簡単で はない。体は、体重が減ることに執拗に抵抗し、脂肪細胞に蓄えら れた高カロリー成分を放出するのを嫌う。 ダイエットの失敗は、個人の性格が原因ではない。体の動きを理解 できれば、より効果的なダイエットへの扉が開くはずだ。 人間には、特殊な能力が備わっている。胎児のとき、母親の子宮は 脂肪を蓄えるのに最高の環境だった。事実、生まれたばかりの人間 の脂肪量は、哺乳動物のなかでトップクラスだ。 つまり、人間は、生理学的に脂肪を蓄える優等生なのだ。脂肪は大 きなエネルギー源だ。特に乳幼児の生命維持の手段としてたいへん 優れているのだ。 また、体温を維持し、重要な内臓器官を外部の衝撃から守るのも脂 肪の働きだ。さらに、大量のエネルギーを消費する脳にエネルギー を供給するのも脂肪だ。 脂肪があまりに少ないと、繁殖力の低下やホルモンバランスの悪化 を引き起こす可能性がある。つまり、体が減量に抵抗するのは当然 のことなのだ。 ★ 「食事を減らして運動を増やす」というダイエットの常套句はきっ ぱり捨てることだ。そして、体の機能についてもっと深く探求する べきだ。 これまで、多くの研究者が伝統的なダイエット方法の改良に取り組 み、運動量を増やして食事を控える従来のやり方に手を加えた方法 を生み出してきた。だが、残念ながらどれもそこまで効果はない。 特にカロリー制限に特化した方法は役に立たないことがわかってい る。だから、いったん立ち止まり「戦略」を変えるべきだ。さもな ければ、これからもダイエットに失敗しつづけることになる。 減らした体重を長期的に維持できている人も、カロリー制限などの 厳しいルールで慢性的な不眠症に陥っていることがある。誰もそん な生活をしたいとは思わないし、できる人も少ないはずだ。

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