少数派となったFRB執行部の試練
「市場を混乱させたFOMC議事要旨」
米国市場には「FRB(連邦準備制度理事会)と戦うな」という格言があります。つまり、FRB当局の意向に反する投資行動をとれば、必ず負けるということです。それだけFRBの意向が絶対視されています。ところが、ここへきてこのFRBの見方に、市場が不安を覚えるようになり、混乱も見られます。
例えば、「FRBの風見鶏」ともいわれるセントルイス連銀のブラード総裁は、この秋にも資産買い入れの縮小(テーパリング)を決定し来年中に政策金利の引き上げを提言、これを受けて長期金利は上昇し、株は大きく売られました。
その一方で次期FRB議長の見方もあるブレイナード理事は、今のインフレはごく一部の品目によるもので、テーパリングは来年まで待つべき、と言って市場を宥めました。
米国時間の18日に、7月末に開催されたFOMC(公開市場委員会、米国版決定会合)の議事要旨が公表された時のことです。株式市場は年内にもテーパリング開始ととらえて株が売られました。その一方で債券市場では当局はテーパリングを急いでいないと見て、米国債を買い戻しました。10年国債利回りは議事要旨発表前に1.3%を付けましたが、その後1.26%に低下しました。
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