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言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
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Vol.124
2021.8.30
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目次
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【1】 『自らが守ろうとしない国を
アメリカが守るはずがない』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
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【1】 『自らが守ろうとしない国を
アメリカが守るはずがない』
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タリバンが首都カブールを制圧
8月17日、衝撃の映像がSNS上に拡散されてきた。アフガニスタンの首都カブールの国際空港に押し寄せた数千人の群衆。飛び立とうとする米軍機の外壁にしがみつく人々。そして、離陸直後に振り落とされ、落下していく人たち。
見ていて辛(つら)くなる光景だ。
米軍とNATO軍の撤退が始まった4月以降、反政府武装勢力のイスラム原理主義組織タリバンが、西側諸国の予想をはるかに上回るスピードでアフガニスタン各都市を制圧。全34州ある州都の一つが初めて陥落してからわずか9日後の8月15日、首都カブールが陥落。ガニ大統領が国外脱出し、アッという間にアフガン政権が崩壊した。
米国の与野党議員だけでなく、メディアもこぞってバイデン大統領を非難。バイデン大統領は「アフガン政府軍がカブールを防衛できる」として8月中の撤退に固執(こしゅう)。その楽観的な出口戦略は、見通しがものすごく甘かった。これにより、これまで米軍に協力してきた多くのアフガニスタン人はタリバンによって無惨(むざん)に殺されることになる。
あまりにも大きな判断ミス。バイデン氏の大統領としての資質にも大きな疑問が生まれた。昨年の大統領選挙中、「トランプと討論したら必ずボロが出る。だから絶対に論戦はしない」と言われたり、「軽い認知症では?」と疑われたのもうなずける。
バイデン大統領の元には、米情報機関から「政府が3カ月以内に倒れるかもしれない」との分析が上がっていたそうだが、その予想よりも早く倒れてしまい、在留米国人やアフガニスタン国民の脱出の段取りが「完璧にはほど遠い」と認めざるを得なかった。
ただし、仮に3カ月、アフガン政権が持ちこたえたとしても、その後は結局のところアフガン全土がタリバンに制圧されていたに違いない。
アメリカは、「もうこれ以上アフガニスタンに資金も若い兵士の命もつぎ込む価値はない。むしろ中国との間のさまざまな戦いに集中すべき」と判断した。
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自分の国は自分で守る
ロシアの外交官たちは「ガニ大統領は、4台の車にドルを大量に積み込んで空港に逃れ、ヘリに現金を積み替えた。ドルは入りきらず、一部は滑走路に残したまま飛び立った」と言う。一方ガニ氏は、「現金を持ち出していない」と否定。靴も履けない状況だったとし、出国の非難に対しても「逃避ではなく避難だ」と弁明している。
こんな大統領が治めるアフガン政府を、誰が命をかけて守るだろうか。
アメリカは、アフガン政府に武器も資金も援助し、軍人の訓練もし、「自分の国は自分で守り、自ら統治せよ」と育ててきた。
2001年9月11日からの20年間で、アメリカは総額2兆2,600億ドル(約247兆円)を費やしてきた。これには、8,000億ドルの直接的な戦争費用と、アフガニスタン軍の訓練費用850億ドルが含まれている(米国ブラウン大学調べ)。
さらに、2,500人の米軍兵士が殺され、4,000人近くの米国民間人の契約者が死亡。2万人以上の米国人の死傷者を収容するためにかかった費用の総額は3,000億ドルだという。
だが、色々な情報を集めてみると、どうもアフガニスタン政府は極度に腐敗しており、米軍から政府に援助された資金の8割は大統領をはじめとする政府関係者が懐に入れ、供与された武器もタリバンに売却して私腹を肥やしていた。
現場でも、名前だけで実在しない(水増しされた)兵士の給与を横領する司令官などもいたという。
「自分の国を自分で守り、自分で統治しよう」という気が一切なかったのが、アフガニスタン政府。
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中国のプロパガンダに
台湾はビクともせず
今回のアメリカの「アフガニスタン撤退」を受け、中国はここぞとばかりに「アメリカは信用できない」とのプロパガンダを行っている。
46年前(1975年)のベトナム戦争での「サイゴン陥落」を繰り返し持ち出し、「アメリカは自由に憧(あこが)れた国の人々を最後は見捨てる国だ。台湾がいかにアメリカとくっつこうと思っても、最後の最後はアメリカに裏切られる。だから、中国についた方が良い」と盛んに発信している。
「中国の言うことを聞いて、そこにくっつくことが台湾人の利益だ」と。
だが、台湾人の反応はどうか。
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