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【死んでも書きたい話】 現場取材には心の乾きが必要か

安田純平の死んでも書きたい話
アフガニスタンでは旧政権勢力であったタリバンが首都カブールをはじめとするほぼ全土を掌握しました。2001年の「9・11同時多発テロ事件」から始まったアフガニスタン戦争は、事件を首謀したアルカイダを匿ったとしてタリバン政権を崩壊させた戦争ですが、20年を経て振り出しに戻ったような状態です。 大雑把に説明しますが、長年続いていた内戦を収めようとアフガニスタン南東部の若者たちが始めた運動が「タリブ(学生)」の複数形「タリバン」と呼ばれるようになったのがタリバンです。そもそもが地域社会を背景とした活動なので、「テロリスト掃討作戦」として米軍やNATO軍が攻撃をすれば当然、地域住民に被害が出るし、「テロリスト」容疑で拘束・拷問した人物が全くの一般人であることが容易に起こります。「対テロ戦争」をやればやるほど敵をつくり、泥沼にはまっていくという構造的な欠陥によって必然的に敗戦に至ったというのが私の率直な感想です。 アフガニスタンについてはいずれまたいろいろとお話したいと思います。 今回は2016年3月27日から4月23日の日記です。 【2016年3月27日(日曜日)】=拘束271日目 NHK、ファッションデザイナーの皆川明?の日常服。人生の大半を占める日常に心の高揚があるような服。非日常を求め日常に不満を募らせるだけでなく、日常の中に心の高揚があるかはその人の取り組み方、心の持ちようか。しかしその焦燥感、乾きのようなものがなければ現場には来られないだろう。日常の輝きを知りつつそれでも現場に出られるか。この渇きはどこから来ているのか。 昼、元司法書士だというジャシムとシリア人と思われるアブフセイン。 「How are you?」とジャシム。

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  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
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