「菅総理 総裁選不出馬」
この一報を聞いて、苦労人の菅義偉総理は最後まで粘るかと思っていたので、驚いた。 総裁選前の党人事断行や総裁選の先送りを模索したことで党内から猛反発を受けても突き進むと思われていたが、「撃ち方止め」となってしまった。
理由は以下の2つだろう。
総裁選を前に人事を行うとしても、総裁選で敗れれば1ヶ月だけの幹事長・政調会長となってしまうので、誰が受けるのだろうかと思っていたが、やはり引き受け手がいないことが退陣へのダメ押しとなったと推測する。
また、総裁選を行った場合も、党員票で岸田文雄氏に大差で負けることを恐れたのだろう。 昨年の総裁選は各派閥が雪崩を打って菅氏を応援した。 しかし、今回は各派とも派閥をまとめ切れていない現状だ。 党員票で負けて議員票で挽回するということも難しい状況だった。
さて、次の自民党総裁選挙の構図はどうなるのか。 一言でいえば乱戦だ。
2012年から続いていた安倍-麻生体制が崩れるかもしれない。 安倍―麻生の関係は、戦国時代でいえば織田―徳川、昭和でいえば田中派―大平派のようにお互いが一致結束することで権力を維持してきた。 二階俊博幹事長以上に歴代最長の財務大臣を続ける麻生太郎氏はその象徴だ。
安倍―麻生は何としても自分たちの権力基盤を維持したい。 麻生氏は昨年の総裁選で二階氏が主導したことに反発していたので、今回は自分たちが主導権を持つ形で安倍晋三氏と協力し、「麻生派―細田派-岸田派」連合で岸田総理誕生を目指したいと考えていると思う。
しかし、ここで河野太郎ワクチン担当相(麻生派)が立候補の意向を表明した。 麻生氏の理解を得たという報道もあるが、別の報道では「賛成も反対もしない」という表現で、麻生氏の意中ではないことは確かだ。 そうなると麻生派は岸田と河野両氏で割れるだろう。
一方、安倍―麻生の仇敵である二階幹事長が誰を推すのか。
二階氏が岸田氏を推すことは考えにくい。 岸田氏も二階氏から応援をもらうようでは党員票が離れてしまう。 二階氏が石破茂氏を担いで「二階―石破連合」で石破総理を目指すことが予想される。 竹下派参議院は前々回、元官房長官の青木幹雄氏の指示で……
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